2016年にやったゲームふりかえり
年末ということで今年やったゲームを振り返ろうと思う(さも毎年やってるかのような語り口だが初めての試みだ)
まず印象に残った、やってよかったゲームランキングで10位までつけるならば
1.FF15(PS4)
2.Broodborne(PS4)
3.Code Name :S.T.E.A.MリンカーンVSエイリアン(3DS)
5.UNCHARTED4(PS4)
7.gravity daze(PS4)
8.風ノ旅ビト(PS4)
9.ダークソウル3(PS4)
10.いけにえと雪のセツナ(PS4)
だろう。今年は結局ゲームを25本(DLC、スマホのゲーム合わせたらもうちょっと行く)くらいプレイしたと記憶している。そのなかでも「他人に自信を持って勧められるゲーム」が以上の10作品だ。いや、10位のセツナだけは勧められないので上位9個までを勧められるとする。
一つ一つ解説をしようと思ったが結構分量多くて辛いので上位3作品をピックアップして解説する。
1.FF15(PS4)
JRPGの最高峰。旅をしたくなる、車の免許が欲しくなる、車が欲しくなるそんなゲーム。
とにかく面白い、すごい。よく言われてる「ホスト4人組が車に乗ってドライブしていく先々で写真撮ったりキャンプしたりするゲーム」という評価もあながち間違いじゃないんだけど、その「キャンプ」、「写真」って要素がRPGに革命を起こしたと個人的には言える。
まずキャンプなんだけど、まずキャンプで出てくる飯がうまそう。「リヴァイアサンと同じだけのデータ容量をつかったおにぎり」って話もあるけど、本当にテクスチャが本物と見紛うほどで食欲そそられるし、その食事によってステータスにバフがかかって戦闘で有利になるというのも食事に対するモチベーションとなっててゲーム性と噛み合っ
てる。
俺が一番好きな骨つきトードステーキ ギガントトードというカエルのモンスターの肉でできてる これ見てステーキが食べたくなったので近所のステーキ屋に行った
キャンプの話と繋がるけど、このゲームはゲームデザイン周りの動機付けが自然でうまい。
FF15は夜になると異様に強い敵が出る(主人公レベル1の時に30超えたバケモンが出る)ので基本的に夜は出歩きたくないんだけど、そこでフィールド探検中に休憩地点を発見してキャンプを張れた時の安心感が強い。火を起こして夜を明かすための場所、一息つける寝床という役割でゲームを進める際にキャンプが本当にありがたい。夜になると必死にキャンプか、街を探さないと死ぬ。
そしてこのゲームは蓄積した経験値を街での休息時に一気に振り分けるシステムだからレベル上げるためには寝ないといけない。レベルアップのためと夜をしのぐ場所、そしてステータスアップの食事という動機づけで本当にゲーム上で自然とキャンプや宿屋に泊まるようにできてる。
そしてキャンプでの食事の風景のパターンも無数にあって、一時加入キャラがいるとキャンプの風景に反映されるのもすごく丁寧でいいゲーム。「仲良し4人組がくだらない話をして夜を明かす」姿が本当に自然に、上手く描かれている。こういうところで会話を抜きに主人公達の絆を描くってのはなかなかなかったと思う。
もう一つの要素が「写真」で、仲間のプロンプトってやつが写真をとってくれるという設定になってて、広い世界の各地にある記念撮影スプットで4人で記念撮影したり、道中のシーンを写真で撮ってきたという体でAIが自動生成した写真を保存できるプログラムが組まれてて(ダンジョン内での謎の自撮り画像や、戦闘中の1シーンを切り取った画像が次々と生まれる)、その写真をキャンプで1日を終えるときに確認して気に入ったものを保存できるというシステムになってる。これがいい。4人の記念撮影や、わけのわからない風景写真や、戦闘中のスタイリッシュなシーン、NPCを写しただけの写真
が大量にあって、気に入った画像を保存してゲーム内でいつでも見ることができる。
この写真のおかげで「冒険してる感」がすごい出て、後から写真を見返すだけで「ボス戦強かったな」だの、「このクエストきつかったな」だのいろいろな思い出が振り返れる。しかも当然オープンワールドゲーで皆プレイスタイルが違うから出てくる写真も違うわけで、「プレイしたその人が楽しめる写真アルバム」が各個人個人皆違う形で出てくるのが本当にすごい。今までなかったシステム。
この写真のおかげでクエストこなしたり、フィールドを散策するモチベに繋がっててゲーム体験としても優れているし、また4人の絆を描く上でセリフよりも数倍雄弁に語ってくる。
「キャンプ」と「写真」という会話じゃないもので主人公達の仲をとても丁寧に、しかも個人個人で体験が違うという形で描いてくるのは素晴らしいと思う。
他にももっと語りたいことがありすぎて困るけど、この記事はあくまで今年やったゲームまとめだからここら辺で終わりにする。素晴らしいゲームだった。細かい丁寧な蓄積のおかげで最後破綻しかけたストーリーをなんとか最高のエンディングにつなげることができたんだと思う。
2.Bloodborne
これに関しては以前記事を書いたのでこれ以上語るのは蛇足だろう。練りに練られた設定、19世紀イギリスをもとにしたフィールドデザインが雰囲気ゲーとして単純に優れている。その上でただの雰囲気ゲーで終わらない、高難度だがプレイヤーの行動に対して強い報酬を与えるような戦闘デザインは常に緊張感のある、歯ごたえのあるゲーム体験をあたえてくれる。
3.Code Name :S.T.E.A.M リンカーンVSエイリアン
このゲームは無名だが面白い。開発元はあのファイアーエムブレムやペーパーマリオ系のゲームを作る任天堂のセカンドパーティインテリジェントシステム。
何が面白いってオタクの好きな物をすべて詰め込んだ、やりたい放題のストーリーだ。
このゲームタイトルの「リンカーンVSエイリアン」が語るようにリンカーンがエイリアンと戦う物語なのだが、それだけでは不十分だ。詳しく説明すると、
スチームパンクの世界で(?)、リンカーンが(??)、アメリカの有名な民間伝承や小説の世界の登場人物達とともに(??????)、クトゥルフの旧神達から世界を守る(???????????????)、シューティングシミュレーションRPG(???????????????????????) だ。
何を行ってるのかわからないだろうがこれがこのゲームの概略だ。順を追って話そう。
まずこのゲームはif物、蒸気機関が発達した世界を舞台としたスチームパンクものだ。主人公達の武器も蒸気を利用したものが多く、蒸気で飛ぶ飛行船といったスチームパンクおきまりの要素も出てくる。間違いなく制作者はオタクでスチームパンク好きだ。
次にリンカーンが重要なキャラクターとなる。リンカーンはゲーム中でエイリアン(後述するがこいつがクトゥルフの生物たち)と戦うための特殊部隊を作り、そのメンバーがアメリカの小説や民間伝承のキャラ達なのだ。有名なものでいうとオズの魔法使いやピーターパンのキャラクターが操作可能キャラとなる。他にも聞いたことない小説の登場人物も多く、正直私も元ネタを全然理解できていない。いうなればアヴェンジャーズ、夢のコラボものだ。元ネタを知らなくても普通に楽しめる。間違いなく制作者はオタクでこういう小説が大好きなのだろう。
そして戦う相手、世界を狙うエイリアンたちだが、こいつらがクトゥルフだ。敵のボスがショゴスだし、クトゥルフの重要キャラランドルフカーターは仲間だし、攻略マップとしてミスカトニック大学まで出てくる。無茶苦茶だ。製作者がクトゥルフ好きなことが容易に推測、というか確信できる。
そして肝心のゲームシステム、いくらオタク好みのな設定をぶち込んでてもゲームシステムが死んでたらゲームとしては終わり、が「シューティングシミュレーション」だ。FPSとシミュレーションという宇宙1合わない2つのゲームジャンルが悪魔合体して奇跡的に面白いゲームデザインとなったこのゲームシステムは基本的にはシミュレーションゲームを基盤としている。つまり自陣のユニットと敵陣のユニットが複数存在するなかで、マップに敷き詰められたタイルを移動して、敵と戦う、ターン制のシステムをとっている。そこの戦闘システムがシューティングなのだ。
多くの駒はそれぞれ固有のメイン武器として銃を持っており、ターンごとにリソースを消費して銃を使うことができる。その際に敵の弱点部位を狙ったり、敵のエイリアンから狙撃されないように壁を利用するというところがシューティング要素だ。これが結構面白い。
敵の射程圏内に入ったら自分のターン中でもカウンター狙撃を食らう「待ち伏せ(オーバーウォッチ)」システムのおかげで自分のターンでも油断せずに射程を伺いながら慎重に駒を動かす必要があるし、逆にこちらも物陰にユニットを配置することでやってきた敵を待ち伏せして相手のターン中に干渉することが可能なのだ。思ったよりシューテイングしている。キャラごとに個別の武器を持っているため武器の切り替えはサブウェポンに限られるが、それでも短射程の銃や、長射程のスナイパーライフル、爆弾使いなどの豊富なユニットの誰を出撃させるかといった悩みもシミュレーションゲームならではなのではないだろうか(私はこのリンカーンVSエイリアンが初のシミュレーションゲームなのでよくしらない)
残念ながら(当然か?)、あまりにもアクが強すぎる設定、アメコミ風の可愛くないキャラデザ、タイトルの一発屋感といういろいろな要素が重なった結果、このゲームは売れていない。今なら中古で安く買えるからぜひ買ってプレイしてほしいゲームだ。オタク好みの設定盛りだくさんの闇鍋、でも戦闘システムもストーリーもしっかりしていてよくできたゲーム、さすが任天堂一味なだけはある。
ちなみに公式HPにある制作者コラムが面白いのでぜひ読んでほしい。ゲームの解説をするかと思いきや7回あるコラムの4回をつかってスチームパンクの歴史、スチームパンクの世界を舞台とした理由を熱く語ってくれて、予想に違わぬ制作者の姿、オタクっぷりを見せつけてくる。
制作者は絶対自分の人生経験の中で好きだったキャラクター、設定、舞台をこのゲームにすべて投じている。なにか執念めいた、邪気とでも言えばいいのだろうか、むせかえるような熱気をこのゲームから感じてならない。
2016年は(特に冬が)大作ゲームがドカドカ出てきて正直追いきれないゲーム豊作の年だった。
来年もクラッシュバンディクーリマスターなど注目するゲームがいっぱい出てくるからワクワクが止まらない。まじでクラッシュリマスターは期待してるから頼むよ。
ゲームにおけるボスはなぜ私を不快にさせるのか その2
前回その1ではレベルデザインのおかしいボスによる過剰なストレスを例として
ゲームのボスのダメなところを示した。
今回はそれとは違う意味でプレイヤーを不快にさせるボスを取り上げる。
3.なぜかゲームが変わるボス
ボス戦と通常戦で戦闘方法そのものが変わるようなボス、というのはゲームの中でも幾らか存在する。例えばカービィシリーズで典型的なものとして「突如挿入されるシューティング面」がある。カービィシリーズはなぜかシューティングを執拗に押してくる。カブーラ、O2、ナイトメアなどなど、毎回毎回シューティングを入れてくる。
今まで吸い込みと吐き出しコピーの横スクロールアクションで、ボス戦もその延長線上にあったはずのカービィでなぜそれを止めたのか、教えて欲しい。02とかナイトメアに至ってはラスボスにもかかわらずだ。ゲームを締めくくる最難関のボスが今までのゲームと無関係ってどういうことなのか。シューティングがやりたくてカービィを買う人間なんているのか?(ごく少数存在しそう)。
ケーキバイキングで楽しくケーキを食べてたのに突然焼肉を食わされた気分といえばいいだろうか。
確かに焼肉はおいしいよ、それは認めるよ。でもなんでケーキ屋で焼肉を食べさせられるんだ。俺はケーキが食いたくて来てるの。焼肉食べたいなら焼肉屋に行くから、変なサービスしないでくれ、頼むよ。
シューティングゲームはシューティングゲームでそれ独立でやらせればいいんじゃないの。よりによってゲームのラスボス、今まで磨き上げてきた腕をぶつけるという熱い展開で、せっかく磨いたテクニックがまったく通用しないのが本当に不快に感じる。
俺は今までこのゲームの文脈に沿ってアクションを磨いてきたわけよ。ラスボス戦でそれがまったく関係なくて、しかもラスボスだからそれなりに強い、それはきついよ。
(以下アンチャ4のネタバレあり)
今年やったゲームで同じことを感じたのがPS4のアンチャーテッド4だ。さすがはあのクラッシュバンディクーを生み出したnaughty dog制作だけあってめちゃくちゃ面白いTPSゲーム。「プレイする映画」というキャッチコピーがまさに秀逸で、本当に映画を見ているような、映画のキャラをそのまま動かしているようなストーリー演出、すべてにこだわりを感じて、とにかくワクワクするゲームだったわけなんですよね、このゲームは。
冒険家になって宝探しをする、これにわくわくしないやつはいるのか?
海賊が残した財宝を求めて世界を飛び回り地図なき(uncharted)探検をするってワクワクの3乗でしょ。同じ宝を求める悪いやつとの戦闘はごく普通のTPSで、適度にステルス要素を使って敵の頭数を減らせるのもあって楽しくプレイしてたわけよ、ラスボス戦までは。
このゲーム最後の最後までTPSだったのに、なのにだよ、最後の戦闘がタイミングよくコマンドを入力して剣同士のつばぜり合いをするという謎のゲームに移行するんだよ。勘弁してくれよ、ガン萎えだよ、しかも難しいんだよ。
このシビアなコマンド入力で何回も死んでこのゲームにたいして醒めてしまったのが本当に残念で仕方がない。最後の最後でバケツに満ちた冷水をぶっかけられた気分。今までのワクワクを返してほしい。
割とTPSを食わず嫌いしてたけど、このゲームをプレイしていく中で「TPS、割と面白いじゃん」と評価を改めて、ラスボスも撃ち殺してやろうかと思ってたのに、最後はコマンドゲーで完全に置いていけぼりを食らってしまったよね。
なんとかクリアしてエンディングを見れて、肝心のエンディングも良かったんだけど、このラスボス戦のせいで私のアンチャーテッド4に対する評価は割と下がってしまった。
実際真面目な話、途中でシューティング面が挟まるのはもういいよ、ゲームが単調化しないためのお遊びだと思うと納得もするよ。アクションRPGにもレースする場面とか馬に乗って戦うボスとかもよくあるもんね。
頼むからラスボスだけは、ラスボスだけはちゃんと今まで培ってきたそのゲームの技術で、その技術だけで戦わせてくれよ、お願いだよ。なんのために今までハードル超えてきたのよ、今まで倒してきたボスはなんだったんだよ。何度も死んで学んだじゃん、テクニックを。奇を衒った謎のラスボスなんていらないよ。別に難しくてもいい、ラスボスだもん、大歓迎だよ。
お願いだから、お願いだから突然ゲームを変えないで欲しい、今までの培ってきた技術、その極致を要求してくれ。そうじゃないボス、ラスボスってなんのために存在しているのか、教えて欲しい。
アンチャ4は面白いゲームなので是非プレイしてください(おわり)
つづく
ゲームにおけるボスはなぜ私を不快にさせるのか その1
1.はじめに
言うまでもない話だが、アクションゲームであれ、RPGであれゲームの要所要所にはボス(中ボス)がいて、最後には倒すべき関門としてのラスボスが用意されていることが多い。
wikipediaを見るとシューティングやアクションでは80年代初頭、さらにTRPGではそのRPG等性質上生まれた時から「ボス」と呼べるような存在がいたらしい。ゲームにおけるボスはゲーム初期から存在していると言っていいだろう。
最近思ったのだが、私はこのゲームにおけるボス戦が嫌いなことが多い。最近やったゲームだとBloodborneのボスは大嫌いだ。なぜか、強いからに決まっている。
「ボスは強くて当たり前だろう、何を言ってるんだマヌケ?」と思うかもしれない。待ってほしい、そのボスの強さは本当に妥当なのか?
2.ボスのレベルデザイン
ボスが強いのは当たり前だ。そもそもボスというキャラをゲーム開発者がなぜ用意するかを考えればわかる。
同じような単調なシステムだと飽きるからだ。
プレイヤーを飽きさせない、越えるべきハードルを適度に配置して、それを超えさせる。小さなハードル(小目標)をクリアしていく中で最終的なゲームのラスボス(最終目標)に到達するようなシステムデザイン、聞く限りでは美しい。私がここで言いたいのはそのハードルの高さは妥当なのか?そもそもハードルを立てることに成功してるのか?お前らが作ったのはハードルではなく落とし穴じゃあないか?
Bloodborneを例に出そう。このゲームで最初に戦うボスは聖職者の獣という巨大な化け物だ(ガスコイン神父から進む手もあるが割愛)。こいつがおかしい。
Bloodborneのジャンルはアクションで、銃と剣を用いたスタイリッシュなアクションで敵を倒していくタイプのゲームである。
聖職者の獣と戦う以前、マップ攻略の段階で戦う雑魚はそれほど強くはない。もちろん油断すると体力が溶けて死ぬが、結局隙をついて剣をぶんぶん振ってれば死ぬし、なんなら逃げて安全地帯で回復すればいい。
聖職者の獣はそんなゴリ押しが通用する敵じゃない。でかい図体のおかげでそもそも剣の攻撃でひるまず、敵の一撃は重い。ここで初めてプレイヤーは「回避」のテクニックを覚えることを強要される。回復を含めたゴリ押しが利かないからだ。いやいや待ってくれよ、今までゴリ押しさせてくれたのにここでそのゴリ押しプレイを咎められるのかよ。
戦闘を楽にする要素として銃を敵の頭にロックオンして数発打つことで敵が怯み、内臓攻撃という特殊な攻撃を入れれるようになるという設計になっているが、それもおかしい。雑魚敵相手にそのプレイングを今まで一度も要求してないだろうが。突然そんな要素を入れてきて対応できると思ってるのか?
誰もそんなこと教えてくれなかっただろうが。
Bloodborneのボスの嫌いな点は道中の探索に必要なテクニックとボス戦で要求してくるテクニックが乖離しすぎていることだ。このタイプのゲームを「ハードル高すぎボス」と名付けよう。特に最初のハードルが高すぎる。
Bloodborneは全体でそういうデザインになっている。ある程度ゴリ押しの通る雑魚敵を倒しながら探索する道中フェーズと、ヒットアンドアウェイの精度を上げた回避と攻撃の緩急をつける戦い方を求められるボス戦フェーズ。
この二つで必要なスキルのレベルがまるで違う。
そのためにプレイヤーはなんどもボスで死んで行動パターンを覚え、ボスごとに違う攻撃の隙を見つけ出しボスを突破することを求められる。
この落差が激しければ激しいほど、プレイヤーは突如現れるボスの強さに狼狽え、何度も死ぬことでどんどんイライラが高まってくる。bloodborneはよく「死にゲー」と言われるがそのカラクリがそこにある。ボスでしか要求されないテクニックをその場その場で身につけていくことが必要なのだ。
「ボスを強くする」ということが悪だとは決して言わない。最初から越えるべきハードルが高すぎるのだ。
初心者に要求してくるレベルが猛烈に高い。そのためBloodborneは逆に後半になればなるほどボスが楽になってくるような感覚を抱く。何度も死ぬことは変わらないが、要求してくるテクニックに対して自分の持ってるスキルが一定量溜まっているために攻略の糸口を掴みやすい。このゲームデザインが序盤にいらぬフラストレーションをプレイヤーに感じさせていると感じる。
要求テクニックとその時点でのプレイヤーのテクニックのイメージ図
ボスは段階的に強くなっていくべきで、その段階はできるだけ滑らかであるべきだと感じる。もちろんボスの中でも因縁の強敵やプレイヤーの印象に残るような強敵が突然挟み込まれる、滑らかさを破壊するのも良いアクセントだろう。
だがそれを「最初に配置する」意味がどこにあるのか。Bloodborneとおなじフロムからでたダークソウル3でもそれはまったく同じだ。最初のボスであるグンダ戦うに当たって、最低限回避と盾受けをある程度扱えるようになっておかないといけない。その前の雑魚は剣を数回振るだけで死ぬのにもかかわらずだ、盾なんて使ったことなかったぞ。
このゲームの難しさはずるい難しさだ。九九の計算ドリルをやらされた後に突然因数分解をやらせて殺してくる。カラクリが分かれば簡単だ。できるようになるまで因数分解との戦闘をなんどもこなせばいい、試行回数の暴力でその場で適応するのだ。それでボスを突破した時の喜びは高い、ああそうだろうとも。
その強さは本当に必要だったのか?
こういうタイプのゲームに対する例として何が適切か思い浮かばないが、例えば星のカービィとかはどうだろうか。吸い込みと吐き出しという基本テクニックでボスが倒せるようになっており、それは道中の雑魚の戦闘の延長線上にある。夢の泉以降の作品ならコピー能力を持ち込んでもいい。ウィスピーウッズという敵は最初のボスとしてよくできている。ボスの体躯がまず大きくカービィの攻撃が外れることはない。敵の攻撃はりんごを落としてくる攻撃で、このりんごを回避するなり吸い込み吐き出しで当てるなりすれば良い。りんごをスライディングで回避したり、ジャンプしながら小さな敵の体に攻撃を当てる必要なんてどこにもない。そんなテクニックはのちに身につければいいのだ。
断っておくが私はBloodborneが大好きだ。死ぬほど文句言いながらも聖職者の獣を倒し、ガスコイン神父を倒し、先に進み、このゲームにのめり込んだ。だけど最初のハードルの高さは不必要に高いと感じる。そのハードルがゲームの楽しさを損なっているとも。
2につづく
→ その2
最近プレイしたゲーム
9月にクリアしたゲームを簡単にまとめておく。
gravitydaze(PS4)
フリプにきてたからやった。重力を自在にコントロールすることで町中を飛び回る爽快感は非常に良かった。「空に落ちる」というキャッチコピーもいい。箱庭ゲーとしての出来はかなりよく、個人的にはやって良かったゲーム。
しかしながら戦闘面では結局重力キック頼り、岩を投げる必殺技頼りで単調な面も目立ち、また操作に割り当てられたキーもイマイチで、タイムアタックで必須の移動法である重力スライドを打とうとしても回避が暴発しがちという致命的な欠点や、ボスを倒す「フェイタルムーブ」が必殺技と同じキー割り当てのため、これも暴発することがあった。
必殺技は一度打つとかなり硬直するため、フェイタルムーブを打てずに時間経過し、一定時間経つとボスが回復してやり直しを繰り返させられ、とにかくイライラがひどい。
このためボス戦やタイムアタックではゲームに対して罵声を浴びせまくった(自分の操作の甘さで倒されるのは良いが、ただの誤操作で死ぬのは納得いかない)。
この前配信された2の体験版では操作性の欠点がかなり解消されてたため期待できると思う。
なかなかいいゲームだった。
風ノ旅ビト(PS4)
フリプにきてたのでやった。3億点あげたい雰囲気ゲーだった。
移動、ジャンプ音が出るボタンこの3つしかないがそれがいい。名も知らぬ他のプレイヤーとボタン1つのみでコミュニケーションをとりながら目的地を目指すという仕組み、美しいフィールド、BGMがとにかくゲームへの没入感を高めてくれる素晴らしいゲームだった。
前情報なしでやるのが最高だと思うので、ぜひ何も調べずにプレイしてほしいと思った。
評判がよく、中古でお手頃だったので買った。バイオはあまりプレイしたことがなかったがそれでも問題なくプレイできた。
3dsの割にグラフィックも頑張っており、ゾンビやマップのテクスチャの質感が良かった。
舞台は無人の豪華客船で、ゴーストシップとかした船内にはゾンビがうごめいている。ゾンビも水死体をモチーフとしているらしく、ただの腐敗死体ではなくぬめぬめしているようなそういう気持ち悪さをうまく表現できていた。船という閉塞感のある舞台の中で、どこからともなく現れるゾンビという構図は恐怖を煽るのにぴったりだと思う、序盤〜中盤は結構ビビりながらプレイしていた。
序盤で死んだあれが中盤でああなって出てくるのはマジでビビるし、超怖い。
ボスも結構強めに作られており、1番目のボスがチェーンソーを持った大型のゾンビなのだが、こいつと雑魚のゾンビが同時に押し寄せてくる形となっており非常に苦戦した。打てども打てども死なないタフさには気が滅入る。
ストーリーも割とよくできており、バイオを知らない私でも続きが気になるようなそういう構成になっていたと思う。エンディングも綺麗にまとまっていた。
買って良かったゲームだった。
最高に性格悪くて面白いゲーム Bloodborne レビュー
はじめに
先日、「Bloodborne」をクリアした。Bloodborneは2015年にフロムソフトウェアから発売されたPS4用ゲームであり、同社開発のデモンズソウルやダークソウルという所謂「ソウルシリーズ」の系譜を踏むゲームである。
私は約4ヶ月前(2016年5月)に発売されたダークソウル3で初めてソウルシリーズをプレイし、遡る形で今回Bloodborneをプレイした。
「高難度ゲーム」のソウルシリーズの系譜を踏んでいる以上当然なのだが、このゲームの難易度は非常に高く、ボスも道中も本気でプレイヤーを殺しにかかってくる。 Bloodborneとソウルシリーズの違いとしてまず舞台設定の違いがあるだろう。ソウルシリーズは剣と魔法の中世ヨーロッパを舞台としたダークファンタジーなのに対し、Bloodborneは時代を進め近代に近い19世紀のイギリスを下地においたゴシックホラーの形式をとっている。そのため遠距離武器は弓矢から銃器に変わり(DLC武器に弓?はあるが)、近距離武器も変形ギミックを持ったより近代的な(といっても無骨に敵を叩き潰すハンマーに変形できる剣とかなのだが)武器になっている。 またソウルシリーズと操作のキー割り当ては同様にしつつもゲームスピードを上げることで、ソウルシリーズとは違う高速でスタイリッシュなバトルを実現している。
その理由は「盾の撤廃と引き換えに得た高性能な回避」と「リゲインシステム」にある。 ソウルシリーズでは敵の攻撃への対応に二つの方法があった。一つは盾受け、もう一つがローリング回避だ。どちらもスタミナを消費して敵の行動に対応するものだが、盾受けには「盾受けを崩すor防ぎきれない高火力の攻撃」、ローリング回避には「回避では防ぎきれない範囲攻撃と回避を狩るための敵のいやらしい連続攻撃」という二つの弱点があり、敵の攻撃をどういなしていくのかを場面ごと、敵の行動ごとに判断していくところにアクションとしての面白さがあった。
BloodBorneでは盾を廃止し(弱い盾がいくつかあるものの例外)すべての攻撃を回避で避けるというゲーム設定になっている。ここまでだとゲーム性を単純にしただけに思われるがそうではなく、回避の性能を大幅に上昇させ、大きく距離をとるローリング回避と小さく回避するステップ回避の二つを実装、またソウルシリーズの伝統である回避の重量感、もっさり感を取り払い俊敏な回避が出来るようにすることで敵の攻撃をいかに避けるかというゲーム性になっている。
また戦闘システム面に華を添えるのがもう一つの重要なシステムである「リゲインシステム」だ。敵の攻撃を食らってしまってから実際に体力ゲージが減少するまでにタイムラグがあり、その間に敵に攻撃を加えることで失った体力を一部取り戻す(リゲインする)ことが出来る。もちろん回復アイテムによる回復も可能なため、敵から被弾した際には「回避を駆使してリスクを負って攻め続けることでリゲインにより体力を回復するのか」、「安全に回復アイテムを使うのか」の選択が迫られる。
この二つのシステムにより盾を構えて適宜攻撃防御をするソウルシリーズとは違う、攻める、回避、また攻める、被弾しても攻めるという「攻め」のゲーム性を実現している。 ソウルシリーズとは異なる二つのシステムにより、「リスクリターンの管理がうまい。気持ち良い」ゲームになっているといえるだろう。
ソウルシリーズの盾受けはある意味で丸い、リスクが少なく、リターンもそれなりにある選択肢だ。その安定した盾という選択肢をなくすことで、引くことがむしろリスク、攻めろ攻めろのゲーム(もちろん攻めすぎてゴリ押ししようとするとすぐに死ぬので回避する)という戦闘の設計になっていると感じた。 重要なシステム面での違いはこれくらいにして、私はダークソウル3よりもBloodborneの方が気にいている。それはこのBloodborneの世界観の妙、設定の素晴らしさに支えられている面が多分にある。以下ではこのBloodborneがいかに素晴らしいゲームだったかを語るが、ネタバレが含まれている。
続きを読む【レビュー】いけにえと雪のセツナ(PS4版)
先日発売されたスクウェア・エニックス(以下スクエニ)の新作RPG
「いけにえと雪のセツナ」をクリアした。このゲームは「あの頃のRPGを取り戻す」を表題に、古き良きRPGを踏襲した形で新しいRPG作品を作ることを目的として、スクエニ内部で作られたスタジオであるtokyoRPGfactoryが制作を担当した。
ゲーム自身の紹介はここまでに、このゲームを一言で評価するならば、
「買ってよかった、非常に満足したが、人にお勧めするかどうかは迷う」ゲームだった。
ここではストーリーと戦闘などのシステム面の二つに分けて大きなネタバレを避けつつレビューを行う。ストーリーのネタバレを含む既プレイ者前提の記事は別に書くつもりである。
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