imterlawの日記

郊外にぽつんと立った豪華な屋敷

純トリックルームパーティ【ダブル】

 6/5 00:00 初投稿 シャンデラ

 6/6   00:30 カクレオン ゴチルゼル ランクルス フレフワン を追加     

 6/12            クチート を追加 

 

   7/8    メガユキノオー メガデンリュウ バンギラス ドサイドン ハリテヤマ ヒードランを追加

 

7/8 モロバレル ドーブルを追加。終わり。

 

 

 ダブルバトルの純トリックルームパーティ(ここでは6匹全員がトリックルーム下で戦うことを想定し、勝ち筋をトリックルームに絞ったパーティを言う)について主要な駒を整理したい。

 私はカロスダブルをずっとやっていたので殆どカロスポケモンの紹介になることをご容赦願いたい(一応カロス構築のままでシーズン3ダブルレート1914で終わったので、トリックルームパーティにおいては全国とカロスにそこまでの違いはない(少なくとも1月前まではなかった)と思っている)。

 

今回①トリックルーム始動要員 ②アタッカー ③その他

の大きく三つに分けて紹介する。

 

① トリックルーム始動要員

 

さて、トリックルーム始動要員に求められることは何であるだろうか、

私は答えを「火力」だと断言する。トリックルームパーティにおいて火力がないことはそれだけで罪だ。勝ち筋のすべてをトリックルームに依存するタイプの構築において火力が僅かにでも足りないポケモンを採用することはそれだけで自ら敗北しに行っているのと等しい、基本的には。

 例えば 生意気 HDフレフワンというポケモンを考えてみよう。

 こいつトリックルームを始動出来る耐久があり、相手に対して金縛りで妨害、横の味方のアタッカーを癒しの波動で回復でき、何故か強そうに見える。しかし、残念ながらこいつは弱い。

このフレフワンを相手にする際、まずトリル下でフレフワンが補助技を打った瞬間に、まず間違いなく火力がないフレフワンは放置される。横のアタッカーに攻撃が集中で飛んでくるだろう。これが普通の構築なら横のアタッカーに集中が飛んでくることが予想できるのでそいつを守らせ、フレフワンで何かアドを取っていく、と言う立ち回りが容易に想定できるし、それで構わないだろう。

 しかし、トリックルームパーティにおいては「アタッカーが守った(守らざるを得なかった)」時点で貴重な4tを失っている。トリックルームのアタッカーは4t攻撃し続けることを求められているのに、そいつが攻撃を出来ない、そういう盤面を作りがちな火力の足りないポケモンは基本的には採用するべきではない。

 

 では採用すべきフレフワンとはどうなるのか。

 例えばHC冷静@いのちのたま ムーンフォース マジカルシャイン サイコキネシス トリックルーム あたりが考えられるだろう。マジカルシャインを入れてで全体技による圧力をかけ、さらにゲンガー、モロバレルフシギバナあたりに通るサイコキネシスを採用、あとは単体技のムーンフォースを採用した。

始動役が火力を兼ね備える(最低限このフレフワン程度は欲しい)ことで横のアタッカーへの負担を下げられるとともに、「手持無沙汰」な駒を生まないことが出来る。

トリックルームにおいては常にこちらが上を取りつづけている以上、そのアドバンテージを最大限に活かすため殴り続ける必要がある、と言うのが私の考えである。

以下に気になったポケモンを解説する。

 

シャンデラ

 トリックルーム始動役としてカロスダブルにおいてはこいつ抜きには構築を組むことが出来なかった。言うまでもなく火力の高さが魅力。熱風をチラつかせながら、シャドーボールを打つことでゴースト打点の通りの良さを生かすことが多い。

 技はトリックルーム以外には、シャドーボール、熱風が特に理由がない限り抜く必要がない。最後の一つは大文字か守るかめざめるパワー(氷)あたりか。

 こいつの守るの使い方はモロバレルの項で後述する。

 特性は炎無効のもらいび、身代わり貫通のすりぬけ、の二択であるが私はすり抜けの方が好きだ。トリックルーム最大の隙は始動の瞬間であり、5世代においてはそこに合わせて身代わりを張ってトリックルームをしのいでいくという立ち回りを行われることが結構多かった。身代わりでアドを取られないというのは対ギルガルドにおいて特に役に立つ場面がある。

 しかし、ここで注意が必要なのは「シャンデラは身代わりを張った残飯ギルガルドを基本的にはシャドーボール一発では倒せない」ということだ。身代わりを貫通できるという特性は身代わりをした相手を「倒せて」初めて役に立つ特性であり、むしろすり抜けにより「体力がミリ残った身代わりが残ったギルガルド」と言う敵を発生させかねないのは注意したい。

 シャンデラギルガルドシャドーボールを撃てるのはせいぜい一回が限度であり、「ギルガルド相手にシャドーボールを打ち合い、先にこっちのシャンデラが倒れて身代わりガルドを残してしまい、横のポケモンでまた身代わりを割ってその後処理した」

というのではターンがかかりすぎる。逆説的に「身代わりに攻撃が出来、身代わりを壊す」ため貰い火を採用する、というのはあり得る。。

 とにかく、「すり抜けにより身代わりギルガルド対策」みたいなのは案外怪しい。大文字を採用して身代わり状態のギルガルドを倒せて初めて言える話だろう。

 シャンデラの弱点は「全体技に弱い」ことだ。地震、濁流、岩雪崩、これらダブルでの採用率が高い技を全て抜群でもらってしまう。特に「岩雪崩」で怯むとトリックルームが張れずそのまま負ける試合がある。始動ターンの雪崩に弱いのはトリパの逃れ難い運命だが、例えばブルンゲルなら雪崩を2回耐えるので1t目に怯んでもまだ猶予がある。ここが大きな違いだろう。

 さらに言うとカロスの炎ポケの殆どに通じる話だが「通したい相手に炎技が通らないジレンマ」がある。

 カロスにおいて炎技を通したい相手を考えてみると、まずクチートキリキザンナットレイ等、鋼が思い浮かぶ。しかし、クチートキザンには不意打ちで縛られ、ナットレイはトリル下で上を取られてしまうので、トリル始動の時にダメージを受けてしまい、相性1/4であっても縛られかねないという危険性もある。

 実際このシャンデラを使っていて相手のクチートキリキザンに炎技を当てた試合は一度もない、きあいのタスキを持っていてもそれをトリル始動時に消費しているので基本的には打てない。横にモロバレルを置いて不意打ちから守っても、今度は裏に逃げられる(なのでシャドーボールを強気に打つことが多い)。

 結局高い火力を活かせる場面が余り少なく、こいつがトリックルームの足を引っ張っているという事態は後から振り返ると結構ある。

 「火力」だけで採用を決めると思わぬ落とし穴があるという一例だろう。

 

 カクレオン

 「こいつはトリックルーム始動役であり広範囲アタッカーでもあると言われる」、と冗談に思われるかもしれないが、至って真面目に採用を検討すべきポケモンだ。

 性格補正ありc252+変幻自在+達人の帯+の火力があれば大文字でHクチートが確定一発になる。冷凍ビームで当然の様にガブリアスも確1だ。10万ボルトでマリルリを倒せないにしろ大きく削ることが出来る。

 こいつは「知らない」相手に対して大きなアドを取ることが出来る。

 例えばトリックルームパーティを相手にしており、こちらがクチートを使っているとしよう。

 相手にカクレオンバンギラスが並んでいたとして、貴方がカクレオンについて何も知らない時、「クチートカクレオンに縛られているのでバンギラスを放置してカクレオンに不意打ちを撃つ」という正解を選ぶことが出来るだろうか、勿論こちらが横のポケモンででバンギを処理できるなら可能だろうが。

 カクレオンカクレオンより強いポケモンの陰に「隠れ」ることで仕事をするポケモンだ。逆に言えば知られているとカクレオン側としては苦戦を強いられる。クチートは不意打ちを撃つし、ガブリアスなどのドラゴンは後ろに逃げる。1tでアドをかっさらうトリパにおあつらえ向きなポケモンだが、種族値はお世辞にも高いとは言えず、採用を考えるときにはよく注意したい。

 物理型も十分ありだろう。命の珠を持てば瓦割でHメガバンギラスを倒せるし、不意打ち、影打ちといった先制技も使えるようになる。しかし、クチートを倒せる特殊型というのがやはり魅力的だ。炎、氷、電気の3種の打点を活かしていくというこいつしかできないことを求めて採用すべきだと私は思う。

 持ち物は火力補強アイテムが良い、というよりそれ以外の持ち物だと仕事が出来ない。変幻自在で火力が上がるとはいえ、こいつのc種族値は60であり、とてもじゃないが火力が足りてない。達人の帯、命の珠を持たせてやっと戦えるラインに乗れる。

 

ゴチルゼル

 トリックルーム役の中でもこいつだけは「場に存在するだけで仕事をする」という特別なタイプのポケモン、そのため例外的に攻撃を削って耐久に振るのも厭わない。
 「かげふみ」により、トリル下の攻撃を交代で受けさせない。これによりこちらの横のポケモンの攻撃を通しやすくなる。

 トリックルームの凌ぎ方は「まもる」と「交代」の大きく分けて二つだ。ハリテヤマクチートの様なトリル下の高火力アタッカーの攻撃を一回でもまともに通してしまうとそれだけで劣勢になる。基本的にトリルを張られるターンにダメージを蓄積させ、その後「まもる」→交代 の流れで攻撃を受けつつ、機を見てマリルリなどの火力のある先制技でアタッカーを縛るというのがトリパ対策の立ち回りとして想定しやすいだろう、低速重火力アタッカーの攻撃をまともに受ける回数は一度までにしたい。
 ゴチルゼルはこの「交代」を防ぐことでトリックルームの対策を非常に難しくさせる。

 ゴチルゼルの技としては、サイコキネシストリックルームまでは確定として残りの枠で悩むことが多い。ガルーラの不意打ちをスカすことができ、さらに火力を低下させる甘えるが個人的にはオススメだが、光の壁、リフレクターも候補だ。
リフレクターと違い甘えるの方がピンポイントで火力を落とせる所が強いと考えている(能力下降とかげふみとのシナジーも美しい) 
最後の枠には「まもる」をお勧めする。このポケモンは最初にふれた様に「場にいるだけで仕事をしている」ポケモンであるので、なるべく場に留まり続けてほしい。下手に低火力で攻撃して倒れるより何もせずとも場に残る方が有難い。

 持ち物としては無難なのが耐久を上げる「オボンのみ」で、ダクホドーブルの対策を兼ねたいなら「ラムのみ」。
モロバレルが親の仇の様に憎いなら「ぼうじんゴーグル」もアリ。

 耐久調整の一つの目安としては「キリキザンの珠辻斬り耐え」と「ギルガルドの222シャドボ耐え」を両立するのが良い。
少なくともbに無振りだとキリキザンの珠ダメ押し(威力上昇していない)で1/16で倒されてしまうのでこれだけは回避したい。

 例えば、初手プテラキリキザンみたいな相手に対し、こちらがゴチルゼルハリテヤマを出した時、プテラのフリーフォールを回避するためこちらはハリテの猫騙しをプテラに打たざるを得ない。この時ゴチルゼルキリキザンの攻撃を耐えられるかどうかがこういう対面になった時の勝率を大きく左右する。
 辻斬りの急所を考えてもこのラインまでを確保するのは必須に近いと考えている。

 ゴチルゼル選出時の注意としては、当たり前のことだが「ゴチルゼル自身に火力が無いのでゴチルゼル+低火力みたいな並びを作らない」ということだ。
例えば初手でゴチルゼルモロバレルのような低火力二匹選出をするとトリル始動後に火力を出せず折角のトリルターンを無駄にしてしまう。ゴチルゼルモロバレルも耐久があるせいで、火力もないのに長々と居座り続けることになる、絶対に負ける。
 それゆえ横に並べるポケモンは火力を出せるハリテヤマの様なポケモンが良い。ハリテヤマトリックルームの始動を猫だましで補助し、自身も2t目から高火力を出せることからゴチルゼルと最も相性が良いポケモンになっている。

 

ランクルス
 強化された特性「防塵」により、トリパの苦手とするモロバレルの邪魔を受けずにトリックルームを撃てるポケモン
 トリックルームは優先度-7の仕様のためモロバレルのキノコのほうしが天敵で、モロバレルはsが低いためトリックルーム下でこちらのポケモンが上を取られることも多い。モロバレル対策なしに純トリックルームパを組むのは自殺行為だ。
 このポケモンは分かりやすい対モロバレルの回答であるが、それゆえ相手に警戒されやすいので注意。
 このポケモンの評価すべき点は火力にある。トリックルーム始動後にそのままアタッカーに転じることが出来るのは良い。自己再生によりターンを凌ぎ、二度目のトリックルームを撃つ……のはなかなか厳しい。

 問題は技の範囲の狭さだ。エスパー技以外の技はシャドーボールエナジーボール後は命中不安定の気合い玉、雷くらいだ。
 トリパは技を外すと貴重な1tを無駄にし、更に攻撃を躱された相手から返しの一撃を貰うため一度の技外しが死に直結する。
それゆえ高命中技で固めたいところなのに、このポケモンはそれが出来ない。

 範囲の狭さとも被る点があるがこのポケモンギルガルドに弱い。ギルガルドの222シャドーボール耐えは比較的簡単なので絶対に行うべきであるが、仮に耐えてトリルを張れるとしても、張った後にギルガルドに不一致シャドーボールでしか打点を持てないのはそれだけで評価を下げる。ゴチルゼルと違い殴らないとアドバンテージにならないのにトリパの対策にもなりえ、採用率が高いギルガルドに弱いのは致命的だ。

手助けにより横のアタッカーのサポートを行えるのは嬉しいが、こいつ自身の高い火力を捨ててまでやるべきことなのかは疑問。

 

フレフワン

フェアリータイプでトリックルームを使える点が注目。トリックルームを使うポケモンの多くはエスパー、ゴーストタイプに限られており、悪技を抜群でもらうことが多い。悪に耐性をもっているトリックルーム役は貴重だ。
しかし短所として、ランクルスと同様にギルガルドに何もできないという欠点を抱えている。

というよりシャドーボールで一応ギルガルドを殴れるランクルスとは違い、シャドーボールすら覚えないこいつはギルガルド相手に何もできない、ナットレイ対策も兼ねめざめるパワー(炎)の採用を考えるレベルだ。

 ランクルスの項で触れたモロバレルもそうだが、ギルガルドに勝てないトリックルームパ―ティもあり得ない。こいつを採用するなら対ギルガルドが甘くなることを覚悟しなければならない。

 アロマベールによるアンコール、挑発無効効果は対トリルをアンコ(レパルダス)や挑発で防ごうとする相手には刺さる。が挑発持ちで最も使用率が高いであろうファイアローの攻撃に耐性を持っておらず、普通に殴られるだけでも痛い。

 

 

以上で始動役の紹介を終える。軽く全国限定のポケモンも触れておく。

クレセリアも選択肢の一つだが、こいつも命の珠を持たせ、火力を出した方が間違いなく良いポケモンである。

ポリゴン2も貴重な「悪を抜群で受けない」トリックルーム始動役であり、イカサマでギルガルドも殴れる、が同速であるためトリル下でブレードギルガルドを殴るためのs調整が難しい。最遅+1当たりのラインを確保するべきか。

 

明日からはアタッカーを紹介する。

 

更新する詐欺をかましてしまったが、遅れながらも今日6/11からアタッカーについて書いていこう。

 

②アタッカー

 トリパに採用する鈍足高火力ポケモン、俗に言う「アタッカー」に対して何を求めるか。1に火力、2に火力、34も火力で5も火力、とにかく火力が必要だ。

 ここでいう「火力」は単にAやCの数値が高いだけではなく、使う技が「高火力広範囲」であることが求められる。トリパはその限られたターンに相手を壊滅(4匹を綺麗に倒すことは難しいので1~2匹にしたい)まで追い込む必要があり、折角トリル下でアタッカーを並べたのにもかかわらず、相手のポケモンに打点を持てずトリルが切れてしまいました、ちゃんちゃん、では許されない。殴れない敵がいないのが理想だ。

 さらにアタッカーは殴る前に死んでもらうと困る、貴重なアタッカーを失うだけでなく、4ターンしかない「殴るターン」そのものを失っているからだ。

 折角素早さ関係を逆転されたのにこちらの鈍足アタッカーが殴る前に死ぬ、これの最大の原因は「先制技」だ。これはトリパのアタッカーは特に先制技に耐性を持っているか否か、を重視して採用したい。注意すべき3大先制技は「ブレイブバード」、「ふいうち」、「アクアジェット」だろう。マリルリガルーラファイアロークチート、こいつらは世間一般で「トリパにある程度の耐性を持つ」ポケモンとして認識されており、トリパを相手にすると十中八九選出される。トリパのアタッカーにはこの3つの内2つ以上の先制技に耐性を持つことが望ましい。

 

クチート

 六世代においてスイッチだろうが純だろうが、「トリックルーム」を組み込んだ構築を採用する理由の多くがクチートを活躍させるためだろう。クチート自身は桁違いの火力を持っているものの、素早さの遅さがネックになっており普通に使っているとすぐに上から縛られてしまう。その素早さという欠点を解消できるトリックルームとの愛称は非常に良い。

 という至極当たり前の話はここまでにして、もっと細かい点でクチートを見て行こう。

まずクチートが目を引く点としては先述の「先制技に対する耐性」だ。ブレイブバード、ふいうちの二つの先制技を半減でき、更に「いかく」により物理先制技に対する耐性はピカイチ、アクアジェットも疑似的に「受けられる」と見なせ、実質的に3つの先制技すべてに耐性を持っている。

 メガシンカ前の耐久は低いので、消耗を防ぐために絶対に裏から投げないようにしたい。クチートは必ず死に出しで出すべきだ。そういう意味で「交代」を極力排し、死に出しから展開するアタッカーで常に殴り続けるトリックルームパーティと裏から投げられないクチートはコンセプトとしてはマッチしている。

 採用する技について見て行こう。

 

 「ふいうち」が強い。トリックルームが切れてしまった後にも先制を取れるという所が特に評価できる点だ。

 実際トリックルームパーティは5ターンで試合を決められることは少なく、トリックルームが切れた後に削れた相手2匹を倒さないといけない様なことはザラである。こういう時にトリックルーム下で倒し損ねたポケモンを、トリル切れた後にも上から縛れることが出来る「ふいうち」が輝く。

 当然補助技でスカされることに注意が必要だが、逆に相手に補助技を打たせる圧力をかけることが出来るとも言える。「ふいうち」をチラつかせることで、相手の体力の低いポケモンの「まもる」を誘発し、横のポケモンに強気に集中をかけるという立ち回りも出てくる。

  

 「じゃれつく」、この技が曲者である。勿論クチートのタイプ一致最大威力技で、かつ一貫しやすいフェアリー技ということもあり、クチートのメインウエポンとしてガンガン打っていくことになるが、「命中90」であることは絶対に忘れて欲しくない。

 何が言いたいかと言うと外してはならない場面で外すのだ。トリパの技外しの重みはランクルスの項でも記述したが、基本的に技を外すと「負け」だ。「外してはならない場面」と言ったが、トリパに関しては全てが外してはいけない場面なのだ。命中不安定技に頼る時点で、長期的に見た勝率が落ちることを覚悟しなければならない。「じゃれつくが外れたから負けた、運負けだ」といった文句を垂れるのはナンセンス。トリパを使い、そしてクチートを使った時点でじゃれつくを外して負ける試合があるということは肝に銘じなければならない。これは構築の負けである。

 

 「トリル下でガブリアスに打ったじゃれつくを外し、返しのじしんで大きく削られる、これで貴重なトリルの1ターンをむざむざ失った。次のターンガブリアスは守り、トリルが切れそのままゲームエンド。当たっていれば勝った。」おそらくトリルクチートをまともに使ったことがある人は多かれ少なれこういう試合を経験し、そしてじゃれつく外しの恐怖が脳裏に焼き付いていることだろう。じゃれつく恐怖症だ。

 クチートの最大の強みでもある「じゃれつく」はその強さ故に「じゃれつくに頼らざるを得ない」場面を多く作ってしまう。大きく勝ちに貢献する一方で、最大の戦犯でもあるポケモンだ。

 

 しかし、このじゃれつく外しによる負けは「ある程度は」カバーできる。それが私がオススメする技、「アイアンヘッド」の採用理由の一つだ。

 アイアンヘッドは命中が100である。「外れない技を持つ」というのはトリパアタッカーの一つの精神安定剤になる。削ったガルーラマリルリアイアンヘッドを撃つ、ガブリアスをじゃれつくではなく、「アイアンヘッド+ふいうち」で確実に殺すといった場面が何度か出てくる。「打たなくていい場面ではじゃれつくを撃たない」ことでじゃれつく外しによる負けを防ごうという考えだ。

 こういったネガティブな理由だけでなく、アイアンヘッド採用の意義は他にもある。色々なポケモンを殴れるようになるが一番大きいのが「相手のクチートを殴れる」ことだ。トリパが苦手とするクチートミラーに強くするというのはトリパを組む際に欠かせない。

 同じくクチートを殴れる技の候補として「ほのおのキバ」があるが、牙とアイアンヘッドの威力差は殆どなく、またほのおのキバは「外れる」。牙よりは命中安定技でミラーに強く、タイプ一致技で汎用性のあるアイアンヘッドの方が優れている。

 

 クチート最後の技は「いわなだれ」が良いだろう。ファイアローやヒートロトムを殴る打点であるとともに、「高火力全体技」であることが良い。全体技は相手の「まもる」により生まれる択を回避できる。「とりあえず岩雪崩」を打ち、横のアタッカーで単体攻撃を仕掛ける、「全体技+単体技」による「まもる」や交代を考えた安定行動、というのはトリパ以外でもよく聞く話だ。

 注意しないといけないのは岩雪崩も命中90であることだ。相手のファイアローに岩雪崩を外して返しのフレアドライブクチートが死ぬことがある。安定行動になりやすいからと言って「甘えた岩雪崩」に頼っていると、「雪崩を外して負けた、運負けだ」という運負け主張で毎日愚痴を垂れなければならなくなる。

 

 私が使っていたクチートの技は上で紹介した「ふいうち」、「じゃれつく」、「アイアンヘッド」、「いわなだれ」の4つだ。「まもる」を切って攻撃技4つにしているのが特徴的かもしれない。

 何故守るを切ったのか、それはトリックルームアタッカーは貴重なターンを守るで潰す暇があったら殴るべきだからだ。「クチートをいったん守らせて横で縛りを解除」みたいな立ち回りが必要になるなら、それはむしろ構築としての欠陥だ。

 「守るを入れない」のではなく「守る必要がない」故に守を切りたい。守るを切っても支障がないためにも先制技に耐性を持ち、先制技に縛られないことの重要性は高い。

 

メガユキノオー

外れない全体技「ふぶき」を使えるのが強み。またモロバレルに強いトリパアタッカーでもある。

 メガデンリュウにも共通する話なのだが、「メガシンカ前と後で素早さが変わるポケモン」はトリパでは少し扱いにくい。例えばトリル下でノオーを出した時、相手にクチートがいるメガシンカターンはクチートに縛られてしまい、「まもる」から入る必要が出てくる。素早さ50族はクチートマリルリが存在するラインでありこのラインを超えるか超えないかは時に命取りになる。素早さ関係のコントロールが難しくなる点で、メガデンリュウメガユキノオーの扱いは少し難しくなる。

 メガユキノオーは先述のモロバレルへの強さがトリパアタッカーとしては珍しく、評価が高い所であるが、ギルガルドファイアローに弱いことが使っていて窮屈さを生む。横に並べるポケモンをこの2匹に強いポケモンにする必要があるが、これに最も合致する駒であるバンギラスが天候の関係で同時採用が難しいことが残念。他の候補としてはドサイドンや「げんしのちから」ヒードランなどがいるだろう。クチートと同様、「こおりのつぶて」でトリックルームが切れた後も相手の上を取れるところも長所だ。

 

 

メガデンリュウ

 電気タイプ、ドラゴンタイプの低速アタッカーというのは非常に限られており、独自の性能を誇る。メガデンリュウメガユキノオーと同様、50族の素早さ関係の問題があるものの、「アクアジェット」、「ブレイブバード」に耐性を持っており、行動回数が確保された信頼できるアタッカーだろう。「電気」はマリルリファイアローに強いだけでなく、ギルガルドも等倍でダメージを与えることが出来、トリパ対策の駒の多くと戦えるポケモンになっている。短所としては「単体技しかない」と言うことだろう。正確には「ほうでん」を使えるのだが、味方にも当たる技なうえ、追加効果の麻痺を引いてしまうと相手の素早さを逆にあげてしまうことになりトリパとの相性が悪いので採用は出来ない。単体技しかないので常に1匹のポケモンしか殴ることが出来ず、

「まもる」に弱くなってしまう。横には全体技を撃てるポケモン、例えばヒードランなどを並べたい。

 技スペースが余るので「きあいだま」を入れるのだが、外しても仕方がないというある種の諦めを持たないと、胃が「持たない」と使っていて感じる。

 

バンギラス

『くろいてっきゅう』を持たせることで、「なげつける」によりシールドフォルムのギルガルドを上から一撃で倒せることが最大の魅力。また言うまでもなくファイアローにも強い。そして「くろいてっきゅう」を持てばトリル下でモロバレルを上から殴ることが出来ることから、トリパ対策の駒に強いアタッカーとして非常に優秀なポケモンだ。「ブレイブバード」、「ふいうち」に耐性を持っているが「アクアジェット」を抜群、つまりマリルリに弱いのが明確な欠点だろう。

 技構成としては全体技でもあり、ファイアローを殴る打点でもある「いわなだれ」、そして高い瞬間火力を出せ、ギルガルドを一撃で倒せる「なげつける」はほぼ確定と言っていいだろう。

 問題は残り二枠を何にするかである。バンギラスは多くの技を覚えることから何を採用すればよいのか迷うことだろう。候補として挙げられるのが「だいもんじ」、「れいとうビーム」、「かみくだく」、「まもる」、そして「ちょうはつ」あたりだ。

 「だいもんじ」はナットレイメガクチートメガユキノオーに対する打点として優秀である。ナットレイは『くろいてっきゅう』を持たせても「トリックルーム」下では上を取られており、「パワーウィップ」で縛られる可能性があるから対策としては不安だが、メガクチートメガユキノオーは『くろいてっきゅう』を持つことで上を取ることができ、倒せないものの大ダメージを与えることが出来る。

 「相手のトリパアタッカーより先に動ける」かどうかはトリパミラーで重要になりので、相手のアタッカーよりもさらに遅いポケモンを採用する方が基本的には有利になる。トリパミラーでは「トリックルーム」をお互い使わずに戦うこともあるので一概には言えない話ではあるが。

 「れいとうビーム」は対ガブリアスランドロスへの打点となる。特に{いかく}により物理の火力を下げられてしまうとランドロスの処理が遅くなってしまい、5tの間に相手を倒せない要因ともなりえる。このランドロスを即座に処理できる打点である「れいとうビーム」は特にバンギラスの横に置くアタッカーが物理の差異は積極的に採用したい。

 「かみくだく」は「なげつける」以外の悪技が必要になった時に採用したい。「なげつける」は一度しか撃てず、「まもる」を使われてしまうと持ち物を失ってしまう仕様ゆえに不発になりがちである。その際に安定した悪技である「かみくだく」を持っていると、悪技を撃ちたい相手が二体以上いるときに安定して動ける。

 「まもる」はマリルリの「アクアジェット」、ローブシンの「マッハパンチ」などを守りつつ横のポケモンを動かしたいことがあるなら採用の価値がある。基本的にはトリパアタッカーの「まもる」は強くはなく、技スペースを消費してまで入れたいかと言われると疑問である。

 「ちょうはつ」はアタッカーなのに例外的に入れる補助技である。使用場面は主に二つ。

『くろいてっきゅう』により相手のモロバレルに上から撃つことで、「キノコのほうし」を防ぐため。もう一つがギルガルドの「キングシールド」に対して撃つことで相手を守れなくして「なげつける」を当てたり、ブレードフォルムから戻れなくなったところを横のポケモンで処理するため。モロバレルギルガルドは対トリパの駒として選出率が高いポケモンであり、こいつらをまとめて対策出来る「ちょうはつ」は使い勝手が良い。                 特にモロバレルの「キノコのほうし」を先に防ぐことは、横のアタッカーがモロバレルより遅く、『ラムのみ』などを持たせられない時に非常に役に立つ。

持ち物は先述の通り『くろいてっきゅう』一択と言ってよい。バンギラスは強いので何を持たせてもそれなりに活躍できるが、やはりトリパのバンギラスは『くろいてっきゅう』を持たせた独自の性能こそが魅力だろう。

 

ドサイドン

 バンギラスと似たようなスペックをしたポケモン。比較した際のドサイドン側の利点としては、「素の素早さが遅い」、「地面技がタイプ一致で撃てる」、「天候を変えないのでユキノオーとの相性が良い」、「もちものに自由が利く」あたりだ。

逆にドサイドン側の欠点は「ギルガルドを一撃で倒せない」、「「ドリルライナー」が接触技なためギルガルドの「キングシールド」が怖い」「特殊技が撃てない」「単体技の火力が低くなりがち」あたりだろう。

 メリットである「素早さが遅い」と言うのは『くろいてっきゅう』バンギラスとの比較では意味をなさないように見えるが、バンギラスより遅いドサイドンに『くろいてっきゅう』を持たせることでシュバルゴの上を取り、「ほのおのパンチ」で倒すというバンギラスには出来ないことも出来る。また『くろいてっきゅう』を持たせないにしろ、素早さ種族値クチートマリルリの50より低いため、必ずしも『くろいてっきゅう』を持たせる必要はなく、持ち物の自由度が生まれるのだ。

 地面技をタイプ一致で撃てるので、バンギラスとは違いクチートに「弱くはなく」(返しの「アイアンヘッド」が怖い)、また厄介なヒードランには明確に強い駒ではある。

 「単体技の威力が低い」と言うのは、単体技で撃ちやすい技が「ドリルライナー」しかないことに起因する。「じしん」があるから十分ではないかと考えるかもしれないが、トリパの「じしん」は非常に扱いにくい技だ。

何故ならトリパには「地面無効」のポケモンが少ないからである。{ふゆう}や飛行タイプのポケモンでトリパに置いて実用に足るポケモンはほとんどおらず、それこそクレセリア程度だろう。{テレパシー}で無効にするにしろ、サーナイトムシャーナくらいしかいない。つまり「横におけるアタッカー」がいないのだ。アタッカー二匹で「じしん」+何かで相手を一掃する動きが出来るならドサイドンは強いのだが、この「じしん」の撃ち難さゆえにドサイドンは扱いにくい。結局「いわなだれ」と「ドリルライナー」を打つポケモンになりがちだ。

 

ハリテヤマ

 このポケモンは「ねこだまし」によるサポートを行うのでサポーターではあるものの、「ねこだまし」後にアタッカーになるという性質上こちらで紹介する。

 『どくどくだま』{こんじょう}による火力の高さが最大の魅力。自ら状態異常になることでモロバレルの「キノコのほうし」やドーブルの「ダークホール」を無効化することもこれらを苦手とするトリパにとっては嬉しい。

 技構成としてはサポート用の「ねこだまし」、タイプ一致の「インファイト」、ゴースト相手に打てる「はたきおとす」、最後には「からげんき」を推したい。

 「インファイト」はH振りロトムを倒せるほどの火力があり、トリパにおける単体技+全体技の立ち回りを作りやすい。横との連携で殆どのポケモンを倒せるのが魅力だ。また{こんじょう}が発動していない状態の「インファイト」でもH振りメガガルーラを確定一発であることは覚えておくと時たま役に立つ。

 「はたきおとす」はゴーストやエスパー、特にギルガルドクレセリアに対する打点になる。対ギルガルドの立ち回りを考えると「キングシールド」でAが二段階下がった「はたきおとす」でもギルガルドの「みがわり」を壊せるので最低限の仕事は出来ると言えよう。

 最後の枠は「からげんき」一択だ。ノーマル威力140の通りの良さは素晴らしい。打つ相手としてはモロバレルマリルリサーナイト等「インファイト」が通らない相手だ。

折角『どくどくだま』によりモロバレルに強いのにモロバレルを殴れる技を持っていないならば、「いかりのこな」で妨害されてしまう。ハリテヤマにはモロバレルへの打点は必須だろう。同じくモロバレルへの打点として「れいとうパンチ」を採用している例をよく見るが、威力は僅かに10の違いであり、また「れいとうパンチ」だとマリルリを殴れないという明確な欠点がある。また比較的半減しにくいノーマル技は「インファイト」を受けにきたポケモンに通ることが多い。

 また「からげんき」は「インファイト」と違い、打っても耐久を下げないという特徴がある。相手を殴りたいが、しかし返しの攻撃で死んでほしくないという時、特に「トリックルーム」2t目に発生しやすい事例だが、こういったときに撃てるのが魅力である。

 ハリテヤマの強さは{こんじょう}「からげんき」にあると言っても良い。さらに言うと「からげんき」は命中が100であるのも嬉しい。ハリテヤマは「インファイト」「はたきおとす」、「からげんき」の3つ共に命中が100であり、技を外さない安心感がある。

 弱点としてはやはりファイアローだろう。逆に言えばファイアローさえなんとかすればハリテヤマが活躍できる場面は多い。ハリテヤマを使うなら裏に置くアタッカーはファイアローに明確に強いポケモンにしたい。

 {こんじょう}を活かすために持ち物は『どくどくだま』しかない。サポート型のハリテヤマを使いたいならば、ハリテヤマではなくカポエラーを使うべきだろう。

 

ヒードラン

ブルンゲルの4/3倍の特攻から「ふんか」を打てる強力なポケモン。最大威力の「ふんか」を2回当てられたなら、ほぼ勝負は決まったも同然だろう。

技としては「ふんか」が確定で後はいろいろ選択の余地がある。ミラーに強い「だいちのちから」やタイプ一致打点としての「ラスターカノン」、ファイアローを一撃で倒せる「げんしのちから」、苦手なガブリアスランドロスに強くするための「めざめるパワー(氷)」あたりが候補だ。

 炎技を2つ採用するなら「ねっぷう」を採用するべきではないと考えている。確かに「ふんか」の威力が下がっても全体攻撃が可能な「ねっぷう」は強いのだが、「ワイドガード」ギルガルドカポエラーに対して何も出来なくなってしまう。これを防ぐために2つ目の炎技は単体攻撃のできる「かえんほうしゃ」や「だいもんじ」が良い。また場に居座り続けるのがアタッカーに求められる性能なので「オーバーヒート」は相性が良くない。

 持ち物は「ふんか」の威力を上げる『もくたん』が単純で最もわかりやすい。他にはモロバレルに弱いという欠点を解消するための『ぼうじんゴーグル』や『ラムのみ』、トリックルーム下でカポエラークチートを抜くための『くろいてっきゅう』が候補だ。『くろいてっきゅう』があると最遅ヒードランミラーにも強くなれる。

 

 

サポーター

 「トリックルーム」を張る際のサポートを行うポケモンである。しかし、サポートしかできないポケモンを採用してしまうと、「トリックルーム」を張ることには成功するも、サポートポケモンが場に居座り続け、思うように「トリックルーム」ターンを活かせないこともある。

 解決策としてはサポートポケモンも打点を持ちアタッカーとして動けるようにする(例:「ねこだまし」を撃つた後攻撃に転じる{こんじょう}ハリテヤマ)か、相手の攻撃を受けてすぐに倒れるようにする(例:「いかりのこな」モロバレル)のような形にするのが一般的だろう。モロバレルは「キノコのほうし」による盤面干渉力が高いことで、放置されにくくサポート後すぐに倒れてくれるという「利点」がある(こちらとしてはモロバレルを早く殺してもらい裏のアタッカーを展開したい)。

 純正トリパの様な解りやすい構築相手には相手も簡単に「トリックルーム」を使わせてはくれず、どうしてもこういったサポートポケモンが構築には必須になるだろう。

 

モロバレル

トリパのサポーターと言えばこのポケモン。「いかりのこな」で始動役をサポートし、攻撃力は低いが「キノコのほうし」による妨害性能も高い。

攻撃技として「ギガドレイン」を採用している人を見かけるがそれよりは「エナジーボール」の方が強い。「ギガドレイン」は威力が低い上に「回復してしまう」というデメリットが存在する。トリパにおいて火力がないポケモンは罪だと何度も言っているがモロバレルもその例に漏れない。下手に場に留まって「キノコのほうし」を撃つくらいなら早めに倒れて裏のアタッカーを早く出す方が嬉しい場面が多いのだ。トリパのモロバレルはサポート終了後に速やかに死んでもらうのが吉であり、「ギガドレイン」はそれに反する。「エナジーボール」にしておくことでガブリアスガルーラなどに少しはダメージを蓄積させられるのが嬉しい。

 同じ理由で「ヘドロばくだん」を採用するのもアリだろう。「エナジーボール」と「ヘドロばくだん」は構築によって選択してほしい。厄介なドサイドントリトドンを殴れる「エナジーボール」の方が優先度は高いと思う。「イカサマ」も面白い技だ。ブレードフォルムで強気に居座るギルガルドに正義の鉄槌を喰らわせてやろう。

 「まもる」の使い方としては、始動役+モロバレルの並びで初手両「まもる」から入ることで、「ちょうはつ」+「ねこだまし」の様な「いかりのこな」で防ぎきれない初手を解決することがメイン。{きもったま}ガルーラの「ねこだまし」をシャンデラブルンゲルに入れられたくない時にも初手両「まもる」を積極的に行う。

 特性を{ほうし}にするのか{さいせいりょく}にするのかは悩ましい。{ほうし}は「いかりのこな」で吸い寄せたガルーラなどに発動すると嬉しいのだが、麻痺が発動してしまい相手の素早さを下げてしまうことがあるのがデメリットだ。先述のガルーラメタグロスなどが遅くなり、こちらのアタッカーを上から縛ってくるという事態が発生しかねない。そういう意味で「誤発」が起きえない{さいせいりょく}を私はオススメする。

 ファイアローの『こだわりハチマキ』「ブレイブバード」を耐える確率を上げるためにも努力値はHBに振ったほうが良い。ファイアロー+何かの並びで2匹の攻撃を受けて死につつ「トリックルーム」を張り、裏からファイアローに強いアタッカーを展開するのがモロバレルを出す時のよくあるパターンになる。

 持ち物は『ゴツゴツメット』が良いだろう。『くろいヘドロ』は「ギガドレイン」と同じ理由で持たせたくない。「いかりのこな」でガルーラファイアローの攻撃を吸い寄せてダメージを与えつつ倒れるのがモロバレルの仕事だ。

 

ドーブル

 強くない。「このゆびとまれ」によるサポート、「ねこだまし」、サポート自体は何でもできるが、いかんせん耐久が低すぎて『きあいのタスキ』なしには何も出来ない。モロバレルではなくドーブルをわざわざ採用する理由を見出すのは難しい。トリックルームを張った後お荷物になるのが難点だ。「このゆびとまれ」で自然と死んでくれればよいが、そうでない時は「おきみやげ」により自主退場するのが良い。トリパにおいてはドーブル最大の強みであるはずの「ダークホール」がそこまで強くない。確かに2体を眠らせるのは強いのだが、相手を眠らせるということは、相手の攻撃を受けないということであり、必然的にドーブルが場に残り続ける。

 結局展開が遅れ、相手が眠りから覚め、「トリックルーム」ターンも切れてしまうという寸法だ。

 持ち物は『きあいのタスキ』か、百歩譲って『メンタルハーブ』、博打気味の『ひかりのこな』か。『ひかりのこな』で使っていた時、相手の攻撃を避けてしまったせいでドーブルがなかなか倒れず、結局負けたのが印象深い。

 

 

 非常に長い記事になってしまった(書き上げるまでの時間も長い)がトリパの駒をメインの物に関しては触れられた様に思う。ここに書いた以外にもヤドランやブルンゲル、そしてシュバルゴなど面白いポケモンはまだまだ隠れている。

 

 

               最後に

 

 この記事を加筆修正した(これ以上増やしてどうするのかと言われるとぐうの音も出ない)記事を夏コミの1日目東大ゲー研のブースで頒布する予定のポケモン会誌13号に載せる予定なので、もしご興味がある方は手に取っていただけると幸いです。

 会誌の方では「サンプル構築」などが追加されます。

場所は一日目 O31b です。