【RAGE 2019 autumn マネーフィニッシュ】テンポリモニウム
【はじめに】
rageに参加し、1年半ぶりにday2進出し、1年半ぶりにマネーフィニッシュを得られた。
今回持ちこんだのはヴァンプビショップ。
day1 5-1
— いむた (@arg_imt) July 21, 2019
day2 5-2でrageマネーフィニッシュで終わり。
使ったのはテンポリモニウムエイラと破滅のサキュバスヴァンパイア。 pic.twitter.com/VlOXF0Xlwa
今回の勝因は運も良かった上に、テンポリモニウムというアーキタイプを持ち込めた(完全に偶然)のが環境的に良かったのもあると考えている。
【テンポリモニウムとは】
エイラのデッキタイプは大きく二つに分けられる。
一つはエイラを利用した勝ちを主軸とし、エイラを後半に引いたとしても勝てるようなオリヴィエを採用したコンシードエイラ。オリヴィエクルトのボード逆転性能はあまりにも強く、また強くはないものの後からエイラを出す動きも可能だ。
(RUMOIプロのエイラがオリヴィエをサーチするルリアまで入れた特徴的なリスト)
エイラB 12-3
— RUMOI/AXIZ (@ru_switch) July 21, 2019
機械W 11-4
ルリアオリヴィエクルトでルリアムキムキになるのあまりにも強くてこの2枚なかったらどっかで負けたはず pic.twitter.com/lYiuNt5pL0
もう一つはリモニウムを主軸とし、リモニウムの救済のコスト踏み倒しによるテンポスイングと、圧倒的な除去耐性のイージスの高速着地を利用しエイラなしの勝ちパターンを探るため、機械カードを積み増した「テンポリモニウム」というデッキである。
デッキの特徴としては、マシンエンジェルの採用、リモニウムのフル採用、ユニコーンないとの不採用、鉄鋼の翼人の採用がある。
【なぜリモニウムなのか】
セクシーエイラのナーフ前の当初の環境では、リモニウムを勝ち筋に据えるという
パターンは少なかったと感じている。
リモニウムは明らかにエイラセクシーナーフによって価値が跳ね上がったカードだ。
理由は2点。
・エイラが4コスに上がったことで後手4エイラが「ただゴリアテを出すだけ」
の動きとなり、4ターン目に限る動きならばスタッツ救済の価値を鑑みてリモニウムを投げるほうが強い時もある点
・セクシーのバリューによる序盤の復讐の圧倒的なパワームーブがなくなり、7,8イージスによる制圧ゲームが、対復讐でもギリギリ成立可能になっている点
だ。
かつてのエイラは後ろ4にエイラを投げても残りの2コストをヒールカードで使い、
ラビヒをかませた圧倒的なインチキムーブが存在した。
ボードに取りこぼしがある中で、エイララビヒラビヒのような極端な上振れムーブで復讐がぶち抜かれた経験は誰もがあると思う。
今のエイラには極端な上振れがない。もちろん「エイラの祈祷」設置後の圧倒的なボード作成能力は健在であり、ミッドレンジを愚弄しているクルトもナーフを逃れているためエイラ自体のバリューは依然として高いままだが、エイラ絡みで対4ターン目にゲームがぶち壊れることはないだろう。
だが、リモニウムにはゲームを破壊するムーブがある。3面展開にリモニウムを載せて4枚の救済を利用して一瞬でイージスを着地、すべてを踏み潰す。コストを極端に下げたエイラを利用し、ナーフ前のような横展開をする。
「エイラをひけない試合でもリモニウムを利用してゲームを壊せる」ことで、キーカードへの依存度を下げ、なるべく安定したゲームを組み立てたいという発想からテンポリモニウムは始まっている。
【後手環境の中で唯一の先行ムーブ「マシンファルコン」の存在】
セクシーナーフは、rage1週間前という時期も驚きだったが、もう一点驚くべきことがあった。「全デッキで見た後手勝率が先行勝率を上回っている」点だ。
私の記憶が正しければ、シャドウバースはずっと圧倒的な先行ゲームだった。
最後の後手環境はROBのドロシーOTKエルフ環境にまで遡る必要がある。
レヴィルーン紅蓮3面処理のあの時代、もはや思い出の世界だ。
そんな過去はさておて、今季も後手で戦いやすいと感じることが多いだろう。
エイラもそうだし、アザゼル、テトラ、すべて後ろ4で最強のバリューを出すからだ。
「進化権を要求し、ゲームの趨勢を決める4コストのカード」が意図的に複数クラスにばらまかれている。
後手を取りたい、というより対面に後手を渡したくないマッチが多すぎる。
ウィッチにテトラ進化リペアモードされたくない、アザゼル投げられたくない、
後手4に正しくカードを引かれるだけで辛いマッチが始まりがちなのが今季。
翻ってエイラに戻ると、もちろんリモニウムもエイラもクルトも後手のカードだが
、エイラには現環境唯一先行で圧倒的に強いカードが存在する。
いうまでもなく、マシンファルコンだ。
2/2/2にファルコン載せて対面の2/2/2を破壊、これが機械腕だった場合はなぜかライフ全開で次以降も必殺3/3が暴れ続ける。
エイラは「先行を取っても強い動きがある」今季唯一のアーキタイプだと評価していた。後手環境において、後手は最強な上に先行もとれるこのデッキを使わない理由がない。
そしてマシンファルコンを採用し、なんなら先行でマリガンキープするためには機械枚数を多くする必要がある。マシンエンジェルやマーセナリーを積みまして行った。
そんな機械と相性のいい最強のカードが存在する。リモニウム。
テンポリモニウムは
先行で戦える特殊カードを強く使うために機械を増量した
結果
リモニウムイージスの特殊プランでエイラ抜きで戦うマッチも増えた
という1粒で2度美味しいアーキタイプになっている。
【鉄鋼の翼人VSユニコーンナイト】
テンポリモニウムの特徴的なカードが、鉄鋼の翼人である。
5/4/5突進で攻撃時にプロダクトマシーンを出す。
今季のカードだが、あまり見られることのなかった札でもある。
このカードと類似した役割を果たすのが、2+3コスの同じく5コスで4点出すユニコーンナイトだろう。
テンポリモニウムにおいて5コスも払って機械カウントを一つも進められない除去は採用できない。イージスのバリューに期待しているのに、イージスを出すのが遅れたらただのコンシードエイラの劣化だ。
テンポリモニウムにおいて、鉄鋼の翼人は最強の札だと考えている。
・進化権を温存しながらイージスカウントを進め、イージスに進化を切りやすくなること
・エイラ下でも、横展開はバフとの相性が良く、エイラプランをとっても腐らない点
エイラを弾けても、リモニウムを弾けてもどちらでもゲームになるこの札は、エイラに頼った場合に最高のバリューを出すユニコーンナイトよりも明確に優先されるべきカードだろう。スペースがなくて枚数差込めなかったのが悔やまれる。
【最後に】
このデッキ、rage前にここまで言語化できていなかったため、細部のカード選択が甘い。マシンエンジェルの枚数は少なくとも3にしなければリモニウムの価値を落としているし、そのために一番エイラ側でバリュー落ちているラビットヒーラーを抜くのがおそらく正解なのだろう。
正直rage前に理解していたエイラは「なぜか知らないがリモニウムがナーフ後につよくなってる」「マシンファルコンってすげえ」「5/4/5って強い」の3点ほどで、明確にテンポリモニウムによる勝利プランをエイラの次の軸足と据えているという認識は、実は持ち込んでいる自分にもなかった。
rage中に「オリヴィエ入れてないことを後悔してる」と話しかけた際に、
「エイラには特化したオリヴィエコンシードと、エイラをひけなくても勝てると判断したリモニウム機械型があるから一概にオリヴィエ入れるのが正解じゃない」
と某サイコパスに教えてもらい、ようやく自分の持ち込みデッキのマリガンとデッキの立ち位置に気づかせてもらえた。
何一つ言語化できていない状態で適当に回していたおもちゃが、偶然デッキになっただけだった。
次は適当に持ち込んだデッキの立ち位置をrage中に知るということがないようにできるといいなぁ。
ウィッチ持ち込めてないのは日和ったからなので、それも弱かった。