imterlawの日記

郊外にぽつんと立った豪華な屋敷

【レビュー】いけにえと雪のセツナ(PS4版)

 先日発売されたスクウェア・エニックス(以下スクエニ)の新作RPG

「いけにえと雪のセツナ」をクリアした。このゲームは「あの頃のRPGを取り戻す」を表題に、古き良きRPGを踏襲した形で新しいRPG作品を作ることを目的として、スクエニ内部で作られたスタジオであるtokyoRPGfactoryが制作を担当した。

 

ゲーム自身の紹介はここまでに、このゲームを一言で評価するならば、

「買ってよかった、非常に満足したが、人にお勧めするかどうかは迷う」ゲームだった。

 

ここではストーリーと戦闘などのシステム面の二つに分けて大きなネタバレを避けつつレビューを行う。ストーリーのネタバレを含む既プレイ者前提の記事は別に書くつもりである。

 

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ドラクエ7、「ひとは、誰かになれる」【ネタバレしまくり】

昨年クリアしたゲームのなかで最も面白かったのは、と聞かれたら

即答でウィッチャー3  と答えるが、じゃあ二番目に面白かったものはと聞かれたら

それもドラクエ7だと即答する。

 

ドラクエ7は非常に面白いゲームだった。3DSのリメイクをやったが今までやったドラクエの中でもダントツで一番だ。

世界に一つしかない島、グランエスタード島の漁師の息子として育った主人公は、網元の娘マリベル、王子キーファの悪友三人組といつも遊んでいる。彼らが島の人々が近づかない神殿を探索したりする中で発見した石版、その石版を台座にはめ込むとそこは見知らぬ場所で、グランエスタード島にはいないはずのモンスターが・・・・・・

 

ドラクエ7基本中の基本として、最初の戦いまでが異常に長い。これでも原作と比べて短くなったというから驚きだ。主人公が住むグランエスタード島にはモンスターがいないのだ。石版をはめて初めて訪れるウッドパルナで初めて戦闘になる。最初の島、ウッドパルナからしてこのゲームはひと味違う。

謎の場所に飛ばされ右も左もわからぬ主人公を助けてくれる女戦士マチルダ、彼女はどうやらお墓参りに来ているようで、お墓に粗末な草を捧げている。マリベルが理由を聞くとどうやらこの島は呪われて花が咲かないらしい。そこでマリベルグランエスタードから持ってきた花の種を渡してやる。

彼女に従って唯一の町ウッドパルナを訪れると、そこは荒れ果てた街だった。なぜか街に入ると消えるマチルダさんを訝しみながら、村の戦士ハンクの話を聞くと(その前にハンクの傷を治すイベントがあるが)、どうやらこの街はどうやらモンスターに支配されて村の女たちはすべて連れ去られたようだ。

主人公たちはハンクを助け、島を支配する魔物を討伐すべく、東にある塔に向かう。

塔の頂上で姿を見せたのはなんと異形と化したマチルダだった。マチルダは英雄パルナの妹。パルナはかつて村に魔物が襲った際、後から村人が助けるという手はずで一人魔物の元に攻め込むものの命を惜しんだ村人は誰も助けに行かず、命を落としたようだ。その後マチルダもパルナを追って魔物のところに向かい、そこで魔物に捕まって魔物たちの同胞へと姿を変えられたらしい。自分たちを助けてくれたマチルダを殺せない主人公、しかしこの島にかけられた呪い、村の女たちを救出するための鍵はマチルダ自身の命だった。戦闘になっても主人公たちに攻撃を仕掛けてこないマチルダに攻撃を渋っていると、ハンクが街のため、自ら汚れ役を買ってマチルダにとどめを刺す。

島から呪いが解け、空が晴れるものの心は晴れず後味の悪い幕切れ。マチルダの遺言に従い最初にスライムと戦闘した場所に戻るとそこにはグランエスタードへと戻る旅の扉が、そしてその近くにある最初にマチルダが墓参りをしていたお墓にはマリベルが渡した花の種が咲き、満開の花が咲いていたーーーー。

グランエスタードに戻ると「突然島が浮かび上がってきた」と大騒ぎに。主人公たちもぼろ船でその島に向かうと先ほどまでいたウッドパルナにそっくりな島があるではないか。島を探検する中でどうやら先ほどまでいたウッドパルナは過去のウッドパルナ、そして今浮かび上がった島は現代のウッドパルナのようだ。こうして主人公たちは石版を集め過去と現代を行き来する冒険の旅に突入する。

 

最初の島から人が死ぬ。ドラクエ7を象徴するスタートだろう。このゲーム、いつものドラクエのように魔物vs人の対立軸かと思いきや人間の汚さ、弱さのようなものを正面から描いてくる。昼ドラアイランド、グリンフレークが最も象徴的だろうか。胸糞イベントとして名高い(私は大好きだが)レブレサックもそうだ。過去と現代を行き来し、いろいろな島を訪れる中で主人公たちはいろいろな人と出会う。優しい人、汚い人、気高い人、卑屈な人。全く毛色の異なる島々を冒険するこのシステムは非常に面白い。過去と現代の二つの冒険で「あの島はあの後どうなったのだろうか」というRPGで村を救ったときによくある疑問に答えを出しているのもうれしい。タイムワープものに外れなしというが、その通りだ。時間を飛んで面白くならないわけがない。

 

私がドラクエ7を好きな理由として「語りすぎない」ことがある。最初の島ウッドパルナもそうだ。グランエスタードに戻るときにパルナの墓に花が咲いていることが描かれるもののイベントは挿入されない。ここでキーファが何か語り出したら興ざめだろう。

主人公が実はマールデドラゴーンの船長、シャークアイの息子であるということもにおわせるだけで明言せず、ハーメリアを救うトゥーラ弾きの老楽師がかつてユバールの村で出会ったジャンであることも仄めかすのみである。

ドラクエ7はとにかく仄めかしが巧い。レブレサックの神父が以前訪れたプロビナで出会い、主人公たちの代わりに死んだ神父だということも語らない。プレイヤーが「そうだったのか」と画面の向こうで納得するのみである。巧い、タイムリープものの引き際を心得ている。過去と現代を行き来する中で知ったすべての知識をぺらぺら語り出したらそれこそ物語が破綻していくといえばその通りだが、このゲームは語らない。

 

 

エンディングも素晴らしい。真の悪オルゴデミーラを倒した後、結局漁師の息子として生きていくことを選んだ主人公は、一人前の漁師と認められて初めて父の漁に連れて行ってもらう。その船にはマリベルも忍び込んでいて〜、というオープニングのイベントを踏襲したこの演出がまず憎い。その漁で網に引っかかっていたのは見慣れぬ石版で、そこにはかつてユバールの地を守るため(ライラに惚れただけともいうが)過去に残ったキーファからのメッセージが彫られていた。ドラクエ7はキーファから始まり、キーファに終わる、石版から始まった冒険が、最後石版によって幕を閉じるこの終わり方は非常にきれいだ。確かにキーファの離脱は痛かった。突然女に惚れて離脱して、結局ジャンからライラを奪う形になるし、キーファがユバールで消えるせいで次のダーマの難易度が上がるといいことなしだ。でもこのご都合エンディングのためなら、キーファの離脱も許そう。このエンディングのためにはキーファが途中で帰ってきてはいけない。キーファはエンディングの犠牲になったのだ。3人の悪友から始まる物語がちゃんと最後3人で完結する、素晴らしい。このシーンには残念ながらガボもアイラもメルビンも似合わない。わかってる、わかってる開発者だ。

 

「ひとは、誰かになれる」、PS版ドラクエの7のキャッチコピーだ(youtubeでCMが見れる)。このキャッチコピーも好きだ。なぜ私はゲームをやるのか、それは自分じゃない「誰か」になるためだ。ゲームの中、主人公の生き方にもこのキャッチコピーが生きる。いろいろな島を冒険する中で、いろいろな人「だれか」と出会い、グレーズ姫に惚れられたり、世界を救ったり、主人公はある意味で自分自身「平凡な漁師の息子」じゃない「誰か」になる。しかし、最後で主人公は再び「漁師の息子」として生きていく。よくある「幸せの青い鳥」系ストーリーと纏めてしまえばその通りだが、「誰か」になった自分自身が最後に戻ってくるのが最初の自分だという終わりもいい。でも最初の主人公と全く同じじゃない。主人公は旅の中で確かに成長し、「一人前だ」と父に認められるまでになった(マリベルにも認められる)。

「ひとは、誰かになれる。」「でもわたしはわたしなんだ」ドラクエ7はそう言っている気がしてならない。

 

 

特殊ルール、TGAバトルファクトリー(ダブル)

今回、駒場祭で行った企画、「TGAダブルバトルファクトリー」が非常に面白かったので、プレイヤー側として色々と総括しておきたい。

 

  1. TGAバトルファクトリーとは、プール紹介
  2. 想定されるプール
  3. 当日のプール
  4. 試合結果
  5. 試合、構築感想

 

  1. TGAダブルバトルファクトリーとは

 

この企画、「バトルファクトリー」の名を冠することからわかるように、与えられたポケモンを用いてダブルバトルを行うものだが、与えられるポケモン、そしてそれに掛けられた制約が少々特殊なものになっている。

 

・参加者は当日提示される30匹のポケモンの中から制限時間(10分)以内に6匹を選び、構築を作成。その構築で対戦相手とダブルバトルを行う。対戦相手も全く同じ条件(全く同じポケモンが入ったロムがもう一つ用意されており、同じ時間内で同じ30匹から6匹選ぶ)である

 

30匹のポケモンはすべて違う種族で、かつ持ち物はすべて違い、またメガストーンを所持しているポケモンはプール内に存在しない。つまり30匹の中からどの任意の6体を選んでも問題なく構築が成立する(持ち物被り、種族被りなどが発生しない)。その一方で持ち物被りがない以上、強いアイテム(タスキスカーフなど)持ちもプール内に1匹しか存在しない。「めざめるパワー」を持ったポケモンは存在しない

 

・プール内の型の努力値配分はすべて2点全振り、あるいは、1点全振り+2点半振りである。つまり252-252-4振りもしくは252-124-132(たぶんこんな感じ)振りになっている。

 

・一人2試合行うが、この際1試合目とは違うプールが用意される。対戦相手もまた同様にその新しいプールにおいて30匹を選ぶ。

 

 要約すると「メガシンカのいない30匹の中で6体を制限時間内に選択、それでダブルバトルを行う」ということになる。試合前にプレイヤーに与えられていた情報は以上のみ。当然どんな30匹(×2)から構築を組むのかは一切わかっていない状態である。メガシンカがいないことからいろんなポケモンが出てきそうだ。強い持ち物は誰にわたっているのだろうか。めざパ持ちがいないのもデカい。ボルトロスは威張らない限りランドロスに勝てないし、サンダーの前でガブリアスは悠々と行動ができる。

 

当日使われたプールは以下のとおりである、これを見ながら自分でも構築を考えていただけると幸いである。

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【レビュー】最高ゲーム、「ウィッチャー3 ワイルドハント」をクリアして。

PS4を買う日、一緒に買うソフトを何にしようか迷う中で、ネットで見た「剣と魔法のRPG」という情報につられて買ったのが、この「witcher3 wild hunt」だった。

北欧のファンタジー小説をもとにしたゲームの三作目ということで、過去作をやっていないと話が分からないのではないかと不安だったが、杞憂だった。必要な説明はゲーム中の人物事典を読めばわかるし、その場の雰囲気で大体関係性は理解できた。

10/4に買って、この前やっとストーリーをクリアした。大体クリアまで80時間くらいはやったと思う。

 

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メガゲンガーグッドSTAP

 

 

 

なんの結果も残してないからグッドSTAP構築

 

 

 

メガゲンガーは、メガガルーラに対して強く、影ふみによる盤面固定から有利なゲームを仕掛けていけることが魅力であり、また積み展開のようなギミックを仕掛けやすいのではないかというのが使う前のシンプルなイメージだった。

こうしたイメージから構築を考えていく中でヒットした

【ORAS全国ダブル】メガゲンガースタンダード【ジャパンカップ2015使用パーティ】 - さめも

この構築をまず使っていくことにした(さしすさん、ありがとうございます)。

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マッドマックス見てきました【ネタバレ】

 

最近話題の映画、「マッドマックス 怒りのデスロード」を見てきました。

事前情報として、「世紀末」、「めっちゃアクション」、「謎ギター」という情報だけ持って行ったのですが、事前情報ですべてが説明されていました。

あらすじ

世紀末、一帯を支配する奴らに捕まったマックスが、なんやかんやあってボスに反抗して逃げる裏切り者の側につき、道中でババアを仲間にしてボスを殺し、砦に帰る

 

とにかく「説明要素を徹底して省く」という姿勢がとても新鮮でした。

例えばまず世界が荒廃して世紀末になるという舞台設定の話は開始10秒でちょろっとするだけですし、妻子を殺されて狂気(マッド)にとらわれるマックスの過去の話なんて一切ないし、敵のボスにどういう過去があるのかも不明です。なんか義手の仲間がいるんですがなんで彼女(女です)が義手なのかも説明されません(少し過去について触れる描写がありましたが)。敵に「人食い男爵」だの「武器将軍」だの謎のネームドキャラが登場しますが、彼らが何者なのかなんて知ったこっちゃありません。ぶっ殺すだけです。病気を患っているっぽいですが、説明はされません。

普通に作ったら、こういう世界観の下敷きみたいな設定を一から十まで説明したくなるものですが一切ありません。

敵が銃だけじゃなく爆発する槍を使うのはたぶん銃弾が貴重とかいう事情があったり、敵のボスにはたぶんあたり一帯を支配する前にいろいろあったんだろう、「塩の湖をわたる」というのはたぶん干からびた海なんだろうな、みたいな推測はいろいろできるんですが、野暮です。

とにかく無駄な説明を省いて生まれた時間を何に使っていると言ったら、もちろんアクションです。敵味方入り混じるカーアクションのシーンをとにかくやりたかったんだとそう思わせてくれるすごい熱量のシーンでした。

荒廃した砂漠をゴテゴテの装飾がされた車たちが駆け巡り、車からなんか火炎放射器を撃ったり、ギターから火が出たり、チェーンソー野郎が出てきたり、とにかく世紀末世界の戦いをこれでもかというほど描き、もう食傷気味になるほどでした。車の上でギターを弾いてるやつと太鼓をたたいている奴が好きです。戦闘に一切かかわらないところが、すげえ恰好いいキャラでした。

個人的な好みの話をすると、車ではない地上戦を見たかったです。

 

嫌というほど世紀末の雰囲気に浸れましたが、ぶっちゃけストーリー的にはそんなに面白いということはなかったです(過去との決別ってのがメインテーマなのか?しかしマックスは決別できていない)。

とげの付いた車!飛びながら手榴弾を投げ込んでくるバイク野郎!車に引っ付けた長い棒を振り子のように使って敵の車に飛びのるシステム!すげえ砂嵐で人が吹っ飛ぶ!意味のない炎を出す車!なぜかギターからも炎が出る!世紀末カーチェイス!

細かい造形は間違いなく最高だった……。