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【cEDH】ティムクラ(織り手のティムナ+ ルーデヴィックの名作、クラム)100枚解説 最終回ティムナクラム編

【これまでの解説】

【cEDH】ティムクラ(織り手のティムナ+ ルーデヴィックの名作、クラム)100枚解説 クリーチャー編 - imterlawの日記

【cEDH】ティムクラ(織り手のティムナ+ ルーデヴィックの名作、クラム)100枚解説 インスタント/ソーサリー編 - imterlawの日記

【cEDH】ティムクラ(織り手のティムナ+ ルーデヴィックの名作、クラム)100枚解説 アーティファクト/エンチャント/土地編 - imterlawの日記

【カードリスト】

Blue Farm - Commander (Tymna the Weaver / Kraum, Ludevic's Opus) — Moxfield, a deck building website for Magic the Gathering

 

ティムクラの採用カードを一枚一枚振り返っていく100枚解説、ついにジェネラル以外の98枚まで解説ができた。

デッキ内の採用カードを検討するだけならば98枚検討で終わりで良いが、
ここまで書いたならば100枚解説しないと収まりが悪い。

残っている最後の2枚、ティムナとクラムについて解説する。

 



ティムクラの強み

ぶっちゃけティムクラを使うのは楽しいからと言うのが一番にある。
対面のターン含め常に除去と打ち消しと差し込みの選択肢を検討し、無法者の処理も含めてゲーム全体の正常化を図ろうと試みる「世界の警察ムーブ」が他のデッキにはない忙しさと面白さがある。

せっかく長い時間対戦するなら、対戦時間目一杯面白いイベントが起きた方がお得な気がするのでティムクラを使っている。


この面白さを生む要因の一つが、ティムクラの自体の強さであることは間違いないため、何が強いのかを紹介していきたい。

 

①ドローエンジンを統率者領域に2枚設置することによる再現性

ティムクラとは何?と聞かれたらドローソースの塊と答える。
このデッキは出力の高いドローソースを確実にプレイできる領域に2枚設置することにより、異常な再現性を出すことが強み。
そもそもデッキが強いのに(ジェスカイブリーチ+グリクリスむかつき)、

そのデッキに下駄を履かせてもらっている状態で戦える。

 

山98-99枚のゲームでどうしても引きムラが発生する、と言う統率者というルールの根本に真っ向から歯向かう営みそのものだと言えるだろう(とはいえティムクラの再現性をもってしてもコントロールしきれない都度の唯一無二のゲーム展開こそが統率者の最大の面白さなんだが)。

再現性を高めるためにチューターと異常ドローカードをデッキ内に大量投入すると言うアプローチは全てのデッキが取っていると思う。
しかし肝心のドローを統率者領域に設置しつつ、しかも色が多く自由度が高いと言うのはティムクラと後他の一部ジェネラルにしか許されてない。

守りの青(リス研考えると攻めの青か?)、対話拒否の白、波止場の赤、チューターの黒全ての色が必要で、この必要な色が揃うことによる「山にあるカードどこ引いても勝てる、」という破壊性能を統率者領域の暴力的なドローで引き摺り出すことこそが、ティムクラのオールレンジ性能を支えている。

 

「ドローエンジン」を統率者領域に2枚設置することによる再現性

変な話になるが、ティムクラは「所詮」ドローソースでしかない。
もちろんティムナを放置して殴らせ続けたら負けるため実質的なリーサルカードなのだが、「ティムナより強く、出したら勝つ」タイプのカードが出てきた場合、皮肉にもティムクラの処理優先度が下がる、というか下げざるを得ないと言う事態が起きてしまう。これを利用してしゃくり倒してたのがかつてのティムクラなのではと理解している。
採用可能な除去の枚数が現実的に限られてる以上、勝てもしないのにティムナよりも処理優先度の高いカードを出してしまうとまずい。


鬼のAOEでティムナを巻き込み、ティムクラごと沈めよう。

ティムナもクラムも除去されてもティムクラは死なない、リス研やremoraを持ってないとロングゲームを戦うことは苦しくなるものの、別にジェネラルが勝利に関係してない都合むかつきブリーチによる短期決戦にはなんの問題もないのが終わっている。
どこから勝つのかがわからないグリクシス急戦プランを膨れ上がるリソースで支えてるだけなので、やってる勝利プラン自体はログサイと変わらない。
生半可なデッキだとこのムーブをそもそも耐えきれない。

 

これは真面目な話なんだがティムナ3方面殴りに成功して0マナ3ドローされてしまうのはもうそれこそが敗着だろう。ブリーチと同じレベルの危険性だと思ってティムナと対峙して欲しい(流石にしてる?)。
アンリコを無から打てることに常々疑問を持ってる。


③ドローエンジンを統率者領域に「2枚」設置することによる再現性

ティムクラの強みはジェネラルが2枚あることにある。

処理必要なドローカードが統率者領域に2枚もいる。片方のエンジンを潰されようが、もう片方のエンジンから山を掘り、さらなるリソースか勝利プランに行きつけば良い。
両方殺しても別に勝利プランは阻害できないのに、出てくるエンジンが2種存在していることによる気持ち悪いしぶとさがティムクラの強さを支えている。かと言って諦めて処理を放棄すると負けるという、対面に不毛なゴミ拾いを強要する性能がティムクラの強みだ。

 

④2cジェネラル2枚は4cジェネラル1枚よりも100倍強い。

宝石の睡蓮でも記載したが、ティムクラの強みは本来睡蓮と相性が悪いはずの4cジェネラルを2c分割することで脱法し、宝石の睡蓮のパワーをフル利用することにもある。別に大量ドローが4マナとかで出しにくい、とかなら統率者戦でもまあまあ強いにしろ今ほどの脅威ではなかっただろう。
ジュエロー+1マナでティムナが、2マナでクラムが出てくることで、睡蓮のパワーをしゃぶり尽くす、ついでに統率者ピッチも構えると言う異常パワーがティムクラを支えている。

 

まあ共闘が悪いんだが、共闘の中で不幸にも一部カードが強すぎるのがタチが悪い。

今タイムスリップして共闘が生まれたc16のデザイン時に舞い戻れるなら全員ティムナ級のパワーにして全員banさせてただろう、今頃平和なEDHがあったはずだ。

 

⑤軽量強力クリーチャーが供給され続けている


上環境を動かすために、ここ数年軽量クリーチャーの質は上がり続けている。
二人対戦で遊んでね、とWotCが必死に考えてくれたカードを悪意あるEDHプレイヤーが横から掻っ払うことにより、ティムクラのクリーチャー性能が上がり続けている。
いくら統率者委員会のシェルドンが統率者向けカードに目を光らせてもモダホラ経由でカードが流入することを防ぎきれてない。もはやモダンをEDHにするしか道はないのかもしれない。

 

クリーチャーが強くなると言うことはすなわちティムナプランが強くなること等しい。軽量かつ強いシステムクリーチャーをドローエンジン運用できるティムナこそ、むかつきクイーンと言えるだろう。

 

船殻破りをbanされたあの頃から比べても、それ上回るクリーチャーが供給されている。黒幕もオークもそうだし、オグマやディープノームもそう(これは統率者カードだが)。相変わらず歩哨やラガバンも使えるし。


⑥色が強い

言ってしまうと元も子もないが、ジェスカイブリーチとグリクリスむかつきを両方使え、対話拒否と波止場とむかつきと打ち消しとremoraがあるのが強すぎる。
唯一の苦手と要素としてむかつきのためマナコストを抑える必要がある都合、ビッグマナ系のスケールで押されかつ墓地を睨まれるようなゲームや、クリーチャーのみで押し通されるゲームが苦手なものの、それらですら微不利に抑える完成された勝利プランがそもそも強い。

 

結論:全部が強い

本当に全部が強い。よくできてる。美しさを感じる。

 

99.ルーデヴィックの名作・クラム

強い。
ドローエンジンとしての強みは言うまでもなく、特にファクト展開が必須になりがちな序盤に置くことで、対面の2プレイを誘発し、猛烈なドロー枚数を稼ぐことができる。それに加え最終盤の打ち消しの差し合いにおいても必ず誘発するため、

その中でリソースを確実に稼ぎ、首の皮一枚で耐え抜けることも多くある。

 

クラム自体がデッキ内でもっともスタッツが高い生物であることには触れておきたい。
戦闘で対面をつつくことにより、ライフを詰めてゲームレンジを狭めてゲームを動かしたり、中盤以降自分のライフを守るために意図的に立たせ続けることも選択できる。飛行ブロッカーはギラプールからのディフェンス役として重要。

言うまでもなく速攻を持ってるのもティムナとの相性完璧で、出た瞬間からティムナドロー誘発するのは強い。

 

逆にティムクラはクラムで超えらない航空戦力を地味に苦手としている。
たとえば聖別されたスフィンクスなどのクラムを踏み潰してくるタイプの生き物が苦手(スフィンクス出てる時点でもう終わってるので苦手も得意もない、と言う話はあるが)。

最強スタッツであるクラムを処理しておくことによってティムクラ側に対して戦闘ダメージを通しに行くプランも存在する。


100.織り手のティムナ

強すぎる。100枚目の解説をする前にティムクラのジェネラルとしての強さを概ね語ってしまったため、ここにきて書くことがなくなってしまった。

 

これまでの話をまとめると
・軽量ドローエンジン
・クラムとの補完性
・色
・edh特有のシステムクリーチャーを追加のリソースに書き換える性能

 

これら全てを兼ね備えた統率者と言えるだろう。

 

今更どうでもいい話だが、絆魂がついてるのはおかしいと思う。
ティムクラと対面する時、ポーテンスと同じライフドロー効率のはずが、
思ったよりティムクラ側のライフが残り続けることにお気づきだろうか。
これは全てティムナの絆魂が悪い。

 

偶発的にクラムと色補完してたことに加え、c16から4年ほど経った際にオラクルブリーチ波止場が生まれてしまったこと、これがティムクラの強さなんだろう。

 

本当に余談だが、C16にはティムナではないもう一人のオルゾフの共闘がいることはご存知だろうか。それがこちら、魂の守護者、ラーボスだ。

墓地回収能力をもってる5マナのジェネラルだ。

別にめちゃくちゃに弱いというわけではないが(もっと弱い共闘は腐るほどいる)

このカードが5マナの神話レアで、ティムナが3マナのレアであるということを踏まえると、何かデザインの際におかしなことが起きていたのではないかと邪推してしまう。

 

最後に


100枚振り返ってみて、意外と除去枠側に選択の余地があることがわかってよかった。クリーチャー面も常に質が上がり続けているため、そこで枠を奪われているのが難しい。忠実な弟子とか久々に採用したいし、敵対工作員も使いたい。なんなら聖騎士の奇襲兵とかですら使いたい。

 

これは余談だが、ティムクラを紹介することによりこの世のティムクラユーザーが増えて欲しい、と言うアツく純粋な思いがある。この思いだけは誰にも負けない。

なぜならティムクラは卓内のティムクラ濃度が上がれば上がるほど強くなるからだ。

これは統率者の妙だが、同系列のデッキで卓を囲むことで、卓内勝率を跳ね上げることができる。

特にティムクラは、対面のティムナドローのための道を開けてくれて相互ドローを深められる点で同卓したい気持ちがより強い。

ティムクラプレイヤーは常に他のティムクラを求めている。

 

普通だと対処しにくい緑系デッキに対してダブルティムクラで徒党を組んで処理に行くケースを想像して欲しい。また、本来ティムナを処理してティムクラを止めに行くプランを取りたいのに、ティムナがなぜか二匹いるとそのプランも崩壊するケースも。

ご友人たちとのEDHでティムクラを使うためにはまずは事前に他の人を唆し、仲間をティムクラに落としておくようにしよう(責任は取れません)

 

最後にはなるが、ここで語った内容はいつもEDHをやってる仲間たちとの議論で生まれたものに過ぎず、俺がオリジナルで気付いたことはほぼない。

いつもプレイしてくれる仲間には感謝しかない。EDHはゲーム性故に見知った仲間と遊ぶのが一番楽しい気がする。知らない人間とばちばち遊ぶのももちろん楽しいが。

 

余力があれば次回「不採用カード」について触れておきたい。

過去使ったけど弱かった、強いけど入れれてない、明らかに怪しいが楽しそう

いろんなカードがある。ゴミカード入りのマイオナティムクラを皆さんにご紹介したい。