imterlawの日記

郊外にぽつんと立った豪華な屋敷

特殊ルール、TGAバトルファクトリー(ダブル)

今回、駒場祭で行った企画、「TGAダブルバトルファクトリー」が非常に面白かったので、プレイヤー側として色々と総括しておきたい。

 

  1. TGAバトルファクトリーとは、プール紹介
  2. 想定されるプール
  3. 当日のプール
  4. 試合結果
  5. 試合、構築感想

 

  1. TGAダブルバトルファクトリーとは

 

この企画、「バトルファクトリー」の名を冠することからわかるように、与えられたポケモンを用いてダブルバトルを行うものだが、与えられるポケモン、そしてそれに掛けられた制約が少々特殊なものになっている。

 

・参加者は当日提示される30匹のポケモンの中から制限時間(10分)以内に6匹を選び、構築を作成。その構築で対戦相手とダブルバトルを行う。対戦相手も全く同じ条件(全く同じポケモンが入ったロムがもう一つ用意されており、同じ時間内で同じ30匹から6匹選ぶ)である

 

30匹のポケモンはすべて違う種族で、かつ持ち物はすべて違い、またメガストーンを所持しているポケモンはプール内に存在しない。つまり30匹の中からどの任意の6体を選んでも問題なく構築が成立する(持ち物被り、種族被りなどが発生しない)。その一方で持ち物被りがない以上、強いアイテム(タスキスカーフなど)持ちもプール内に1匹しか存在しない。「めざめるパワー」を持ったポケモンは存在しない

 

・プール内の型の努力値配分はすべて2点全振り、あるいは、1点全振り+2点半振りである。つまり252-252-4振りもしくは252-124-132(たぶんこんな感じ)振りになっている。

 

・一人2試合行うが、この際1試合目とは違うプールが用意される。対戦相手もまた同様にその新しいプールにおいて30匹を選ぶ。

 

 要約すると「メガシンカのいない30匹の中で6体を制限時間内に選択、それでダブルバトルを行う」ということになる。試合前にプレイヤーに与えられていた情報は以上のみ。当然どんな30匹(×2)から構築を組むのかは一切わかっていない状態である。メガシンカがいないことからいろんなポケモンが出てきそうだ。強い持ち物は誰にわたっているのだろうか。めざパ持ちがいないのもデカい。ボルトロスは威張らない限りランドロスに勝てないし、サンダーの前でガブリアスは悠々と行動ができる。

 

当日使われたプールは以下のとおりである、これを見ながら自分でも構築を考えていただけると幸いである。

 

 

 プール1 「天候大決戦」

 

 

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プール2 知らないポケモン大集合

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  1. 想定されるプール

そもそもゲーム内にあるバトルファクトリーは知識の施設である(だよね?)。出てくるポケモンに運が絡むことはあれど(その運の要素が非常に強いから問題なのだが)、事前にどんなポケモンが用意されているか知っていればそれだけ立ち回りやすい。今回の「バトルファクトリー」も当日にポケモンをその場で見て、その場の運に任せて構築を組むのではなく、事前にどんなポケモンが出てくるのか、どんな構築が強いのかをある程度予想しておくことで当日の負担を減らすことにした。

 

・雨が強い

まずメガシンカポケモンがいないということから、ガルーラリザードンあたりが消え、天候が非常に動きやすくなっているのではないかと予想した。

さらに言えばニョロトノとルンパッパ(キングドラ)がいるプール(便宜的に雨プールと呼ぶ)では雨を中心に環境が回るのではないかと予想した。理由として「単純に火力が高い」「軸が決まっており短い時間でも構築を組みやすい」「使った経験から手になじんでいるプレイヤーが多い」あたりが挙げられる。特に後ろ二つの理由を重視した。というのも短時間で30匹からメタまで含めて構築を組むというのは至難の業であり、多くのプレイヤーが悩んだ結果手になじんだ、扱いやすい構築に逃げるのではないかと予想されるからである。

一方で自分と相手が同じプールを使っていることから雨に逃げても雨ミラーが起きることが容易に想定される。つまり雨を使うにしろ雨対策が必要になるということだろう。

雨ミラー対策、つまり雨に強い雨として「ニョロトノキングドラナットレイ」の3匹を事前想定した。ナットレイは雨との良好な相性の上に、雨に強いのみではなく、雨メタの一角かつトップと予想される後述のニンフィアに対しても強いことで評価が高い。

更に雨ミラーでのナットレイミラーまでの対策としてローブシンを予想した。雨が強すぎる環境というのは面白味がなく、そんなプールにはなってないだろう。対策として考えられるのが

ニンフィア

・『とつげきチョッキ』ローブシン

ユキノオー(霰)

・化身ボルトロス「でんじは」

ビリジオン

ナットレイ

・「トリックルーム」を使うブルンゲルクレセリア

・サンダースイクンなどの高耐久ポケモンよる「おいかぜ」

・水耐性「にほんばれ」もち(モロバレルスイクン

 

あたりだろうか。この中から雨に強いだけでなく、他天候(特にユキノオー、というよりこれ以外を想定していなかった)にも強い『とつげきチョッキ』ローブシンがいるならば採用しようと考えていた。

 

他にも「雨プールの炎ポケモン」は気になっていた。雨がトップメタな以上炎は必然的に不遇であり、その環境下でも戦える強力な炎がいると考えた。そこで雨でも戦えるファイヤー、強いプレイングがあれば雨の中でも積み展開が可能なウルガモス、あたりはいるのではないかと予想した。

 

雨に対抗しうる素早さ操作展開は「トリックルーム」であると予想した。ブルンゲルクレセリア、ポリゴン2あたりの始動役と、ハリテヤマモロバレルといったサポーター、そしてローブシンヒードランユキノオーのような攻撃役が用意されているのではないかと考えていた。

 

という状況の中、雨プールでは事前想定で構築を二つ用意した。

 

ニョロトノ

ルンパッパ

(グドラ)

ナットレイ(鋼)

ファイヤー(鋼対策)

ローブシン(鋼対策兼ミラー)

サザンドラ(対鋼、ミラー)

トリパ

ブルンゲル

ハリテヤマ

ユキノオー

ヒードラン

ニンフィア(ミラーでも投げれる

ローブシン

ボルトロス(トリルミラーで投げる)

 

・非雨プール

雨ではないプールではスタンじみた動きができるのではないかと考えた。そこで非天候で(天候でも強いが)強力な非メガポケモンを列挙することにした。

 

追い風

ラティオス サンダー アロー エルフーン スイクン

 

詰み展開

太鼓マリルリ 剣舞アロー 蝶舞ウルガ エルテラ 瞑想クレセ 瞑想スイクン

(暗示エンテイ

 

素直な火力

ニンフィア ローブシン ヒヒダルマ ランドロス ヒードラン ボルトロス サザンドラ ファイアロー マリルリ ギルガルド テラキオン キノガッサ ゲッコウガ ハッサム ゲンガー ガブリアス

 

耐久  

ギルガルド トリトドン ナットレイ ミロカロス ポリゴン2 クレセ

サンダー ファイアロ―(耐久) ウィンディ(バクア月の光) スイクン

 

サポート

猫騙し マニューラ カポ ズキン ゴウカザル

粉指 バレル トゲキッス パチリス ピクシー

いたずら心 ニャオニクス ボルトロス ヤミラミ

 

ゴミクソ

ドーブル ラッキー ピクシー 

 

大体このあたりから構築を組むことになりそうだと予想した。その中でも強力なポケモンには対策を想定し、プール次第でメタを張っていけばいいと考えた。以下のポケモンたちは事前に対策を考えたポケモンたちである(以下対戦前に用意したメモをそのままコピペした)。

 

ニンフィア

鋼(ニンフに投げれる強い鋼が構築にいるはず)

ワイガ(絶対確認)

スキルスワップ(クレセの技を見る 他が持っててもたぶん雑魚だろ)

珠力づくローブシンみたいな毒づきマンとかギルガルドニンフィアのs関係

化身珠ランド

 

ギルガルド

下からはたきマン(ガルドと頭巾、ブシンとかのs確認)

炎(強い炎)

強い悪(サザンドラ キリキザン

挑発(ボルトロス

ギルガルドの同速ゲー

バークアウト(弱点保険ならバクアポケモンをプールに入れないだろ)

化身珠ランド(ぶっ殺す)

 

対太鼓マリルリ

バレル(まあいるはず)

ファイアロー(持ち物によるブレバの威力確認)

ゴーグル電気(サンダーとかいるのか?)

この指カメ(いないでしょ)

トリトドン

ファストガードもち(分の悪い戦いだけど確認はしたい)

 

対アロー

威嚇(ランドがいるとうれしい)

岩雪崩(ランドが耐久に振ってるとうれしい)

電気(やる前に殺す、剣舞じゃない鉢巻アローとかでフレドラは嫌だ)

ファストガードもち(雑魚技)

高耐久水

めっちゃ固い岩(レジロック

 

対ボルトランド

ポリ2

クレセ

ランドロス(ボルトにめざ氷がない)

ゲッコウガ

トリトドン

ランドロスは貴重な、ボルトロスに強く、かつギルガルドにも強いポケモン。かといってランドニンフ(+裏の浮いている駒ボルトとか)とかするとゲッコウガが一貫する。

ボルトロスはめざパがないときの技構成が気になる。10万電磁波挑発守るな気がするけど。

守るなくて草結びとかサイコキネシスになってるのかも。

 

ウルガモス

ニンフィアを起点にできるすごい奴。

電磁波(ラムはくそ)

ランドロス

マリルリ

 

ゲッコウガ

ローブシン キノガッサ(マッパ組)

スカーフランド

ニンフィア(ダストシュートなしの場合)

ポリゴン2

ボルトランドにそのままだと勝てるすごいポケモン。場合によってはニンフィアにも、ギルガルドにも勝てる。技構成次第では・・・・・・・。

ゲッコウガの技構成にはプールに込められた意図が詰まってる

ゲッコウガで殺せないようになってるポケモンはだれか。ゲッコウガで勝てるようにしてるポケモンは何か。

対ポリゴン2 一応特性確認

強い格闘を採用

叩き落とす

 

対追い風系

電磁波

トリル

こっちも追い風

挑発

対トリル

詰み展開+何かで選択を強いる(挑発ボルト+太鼓マリルリでポンポコ)

身代わりもちでなんか展開する

トリル返し

 

ヒヒダルマ(というか炎全般?)

舐めてるとこのポケモンに突っ込まれて受けられないみたいな試合もあり得る

追い風で玉ヒヒダルマ展開されたらキツイ

マリルリ

ボルトロス(対面電磁波)

ランドロス(スカーフじゃないと陽気ダルマを抜けないことに注意 ダルマはs95)

高耐久水

 

ローブシン

先生技、強力な格闘、ボルトランドドランサザン(型次第でガルドニンフ)への強さ、と弱いわけがないポケモン。 鬼火電磁波打てるかかかってるから特性確認

ファイアロー

クレセリア(叩きが嫌)

ギルガルド(叩きがなければ)

ニンフィア(早い毒づきじゃなければ)

マリルリ(同上)

 

非雨プールでは構築をいくつも考えたが、どれもしっくりこなかったので一番気に入ったものだけを紹介する。

 

ガブゲンスタン

ゲンガー

ガブリアス

ローブシン

ボルトロス

モロバレル

マリルリ

(他候補色々)

(タスキ)ヘドロ爆弾ゲンガー+ガブリアスの盤面制圧に着目。めざパがないボルトロスガブリアスが強いことが偉い。対ゲッコウガが不安なのでローブシンマリルリ(orニンフィアorファイアローorハッサム)。積み、s操作の展開を止めるモロバレルボルトロス。敵のギルガルドの持ち物、影うち持ちかどうかが気になる。猫だましと威嚇持ちが欲しくなるとブシンがズキンに代わる。

対ファイアロ―をボルトガブで何とかする。この構築、ニンフィアに対して引けないのが痛い。

 

  1. 当日のプール

3.1プール1

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3.1.1当日の感想と構築

プール1を見て焦った。想定していた雨プールと非雨プールが同じところに両立して存在しているではないか。というより強いポケモンはすべて入っている。

当日思ったことを簡単に書くと、

・雨は事前想定ほぼそのままで組める

・全天候の中でトノが一番遅い

・トリパはアタッカ―のパンチ力がいまいち?

・雨ナットレイを使うときに火炎放射トゲキッスが怖い

・バンギウルガトドンラティあたりで雨をメタってきそう

・穏やか粉威張るボルトは勘弁してほしい

・グロスハッサムナットレイの鋼組が皆強そう

その中で私が組んだものが

ニョロトノ

キングドラ

ナットレイ

ローブシン

サザンドラ

ハッサム

である。

まず事前想定の雨を元にニョロトノキングドラナットレイローブシンサザンドラまでを確定した。ローブシンはとつげきチョッキ耐久振り、サザンドラは炎技とハバンのみで、予想通りの対雨の駒になっているのを見て内心ほくそ笑む。

最後一枠では、

・対雨ミラーでの「おいかぜ」、ハッサムナットレイを焼く「ねっぷう」、モロバレル入りに強い『ぼうじんゴーグル』が魅力のサンダー

・恐れていたトゲキッス、やはりこのままでは薄いニンフィアに強いハッサム

で悩んだ結果、ニンフィアを特に重視してハッサムを取った。

 

3.1.2後日の感想

 やはりこのプールは天候が中心となって動くプールだろう。「雨プールの炎は雨に勝てる強力なポケモンになっているのではないか」の予想の通り、舞うことでルンパッパを抜けるウルガモス、なんか霰に入りそうなウィンディ、こちらも霰に入りそうだが大地がないヒードランあたりが強そうだった。バンギトドンウルガを使えばトノルンパを前にしても蝶の舞から制圧していく筋がありそうだが、当日そのプレイングができる自信がなかった。バンギトドンウルガキッスドリュウズラティオスとかになるのだろうか。

 

 トリックルームも「パワー不足」と当日思ったが、ローブシンニンフィアを並ばせることができればかなりの制圧力になるだろう。しかし相手のニンフィアの対策方法がいまいち見えない。ハッサムも入れるのか?ここまでで3枠使っているのでトリルサポートなしでトリルを張るのか?トノルンパの前で? 難しすぎないか。

 

マリルリが速いことに気付けなかった。このマリルリニンフィアどころかハッサムまで抜いているので太鼓マリルリハッサムで見ることがかなり制限されてしまう。

 

雨パを使う際にこのプールではキングドラを取りたいと考え、キングドラを取ったわけだがその選択は間違っていなかったように思える。まず、『いのちのたま』のおかげで火力がルンパッパよりも高いこと、「だくりゅう」で全体攻撃可能なこと。特にトリトドンウルガモスウルガモスを止めることができる。そしてトドンウルガの並びに関係して、舞ったウルガモスよりも早いこと。自分の構築は「トノグドラ以外すべてウルガに弱い」ことが特徴となっており、雨があるからウルガに強いというより「雨でしかウルガが倒せない」構築になっている。対ニンフ天候などなどを考えて採用した裏のブシンハッサムナットサザンがすべてウルガに倒されかねない。そのためウルガに弱いルンパではなく、ウルガに対等に戦えるグドラの選択が正しかったのだろう。

 

一方で事前想定に振り回され過ぎたところも少しある。たとえば今回ニョロトノの持ち物が『だっしゅつボタン』になっていたのだが、恥ずかしながら脱出トノをいままで使ったことがなかったために立ち回りの組み立てができなかった(それが後述するグドラ未選出につながる)。滅びでもない脱出は弱い持ち物だと考え採用を考えたことが一度もなかったが、ニョロトノバックからのキングドラ展開というのは当たり前だがきちんと決まれば強く、特に今回のような普段のダブルの数倍天候合戦が予想される中ではかなり効く持ち物だったのではないだろうか(動かしにくいが)。

 

 

 

3.2プール2

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3.2.1当日の感想、構築

プール1に強いポケモンがいるからプール2は二軍ポケモンの巣窟なんだろうと予想されるが、それにしても微妙な奴らばかりだった。

 

キュウコンヒヒダルマフシギバナの晴れ三種の神器

・晴れガンメタのゴーグル雨乞いクロバット

カイリューの特性がせいしんりょく(5分経過後に気付いた)

ムシャーナ軸トリパ

・トリルメタのフリフォカイリュー、先送り猫だましヤミラミ

・晴れパへの殺意にあふれた[いじっぱり]「ゴッドバードプテラヒヒダルマを殺せる)

 

最初はキュウコンヒヒダルマフシギバナの晴れ、ムシャーナガラガラの「トリックルーム」の二つが強いと考え、特に晴れの方が強いと感じ、晴れ軸で構築を作っていたがが、5分経過時に「あまごい」『ぼうじんゴーグルクロバットという強烈なメタに気づき焦る。さらに圧倒的強さから構築に入れていたカイリューの特性が{マルチスケイル}ではなく{せいしんりょく}であることに気づきパニックになる。

クロバットマンムーオーダイルで構築を組もうとするも、残りが形にならず時間を浪費する。

最後に晴れパに戻り対トリックルーム、ミラーいろいろを意識して何も形にできずレントラーラプラスカイリューを選択。

レントラーを取ったのはクロバットが怖すぎたためだが、「10まんボルト」でクロバットを倒せないことに後で計算して気付いた。

 

 

キュウコン

ヒヒダルマ

フシギバナ

カイリュー

レントラー

ラプラス

 

可もなく不可もなくといった感じか。

 

 

3.2.2後日の感想

 まず私の大きなミスが一つある。それはプール1できちんと考えていた「安易な構築に逃げた相手とのミラー」への想定不足である。今回で言えばパッと目につく構築はトリルと晴れでありこの二つがどちらをとってもミラーすることが考えられる。晴れ対策の炎耐性、優先度の高い先制技、そしてトリル対策の{せいしんりょく}「フリーフォール」カイリューの採用は間違っていなかったと思うが他が怪しい。晴れミラーにさらに強くするためのプテラ、トリルにたいして「さきおくり」「おにび」で徹底した妨害が可能なヤミラミあたりを採用するべきだっただろう。レントラーラプラスという何とも言い難いポケモンを採用してしまったのは反省したい。

 

このプールを冷静に考え直したとき、もう一つの構築タイプとして{ゆきふらし}アマルルガを利用した霰構築が考えられる。晴れに対しては初手で天候を確保でき、ワルビアルアマルルガとかから入って、アマルルガをファイヤーに引きながら地震みたいな動きが出来そうな気がした。{ちからづく}オーダイルは火力が全く不明であったが、チョッキワルビアルを熱湯で貫通して倒すほどの火力があったらしい。「ふぶき」を{ちからづ

く}補正から打つことができるためルルガダイルというプール1のノオーゲッコウガのような動きができるのだろう。しかしながらバランス調整のためかオーダイルフシギバナより遅くなっていることに注意したい。

 

  1. 当日の結果

 私は何とか2試合とも勝つことができてよかった。

・プール1

私:ニョロトノハッサムサザンドラナットレイキングドラローブシン

相手(nope):ユキノオーランドロスニンフィアゲッコウガクレセリアメタグロス

 

1戦目はノオーゲッコウガとの試合。初手でハッサムランドロス地震を急所に受けるものの、何とかその後巻き返し、ハッサムの一貫を作って勝ち。かなり苦しい試合だった。サザンドラが素吹雪をよけたおかげで勝てたようなもので、勝ちを拾ってしまった感じがある。急所とトントンと言えばそうなのだが……。

対霰のキモとなるローブシンを徹底して他のポケモンでメタっているのが印象的だった。

 

一つ反省としてあるのはキングドラを選出すべきだったということだ。

キングドラを出さなかったのは「霰に対してキングドラはどこまで戦えるのか不安」という意識が強く働いたせいだが、そのために相手のランドロス霊に苦戦する試合展開になってしまった。ニョロトノランドロス霊を倒すことができると思い選出したものの、『だっしゅつボタン』のため「れいとうビーム」を初手から打つことができず、結局今回の試合ではハッサムが「じしん」を急所に貰ってしまったこともあり、非常に苦しい試合展開になってしまった。事前想定していた通りの雨を組めたことですっかり安心し、『だっしゅつボタン』ニョロトノを利用した試合展開を構築決定から試合開始までの時間に整理しておくことを怠ったことがすべての原因だろう。

 

・プール2

私:キュウコンフシギバナヒヒダルマレントラーカイリューラプラス

相手(Tst):ピクシー、ムシャーナフシギバナブロスターレントラーキュウコン

二戦目は晴れミラー。初手でトリックルームを撃たれるも、トリルアタッカーがなぜかブロスターだったのでキュウコンフシギバナの晴れで制圧できてそのまま勝ち。

フシギバナが耐久に振っている上にムシャーナはCに振っていないことでサイコキネシスの前でフシギバナを動かすことができるのが良かった。

 

勝因としては相手のトリルアタッカーが晴れ下で弱体化するブロスターだったことだろうか。ここがガラガラだったらかなり苦戦を強いられただろう(カイリューフシギバナをうまく利用する必要がある)。また晴れにしてもヒヒダルマがいないことでかなり安心感があった。逆にこちらのヒヒダルマをトリル終わり際に出すことができ、「まもる」がないムシャーナに対して悠々とフレアドライブをぶち込むことができた。

 

5.試合、構築感想

 

プール1での事前想定が活きた、これに尽きると思う。一見無駄に見える非雨プールの考察も、非雨プールと雨プールが混在しているということで想定した対策がそのまま流用できることも助かった。また、雨プール、非雨プールの二つを想定していたが、環境の中心になるだろうと想定していた低速御三家(ローブシンギルガルドニンフィア)の3匹はどちらのプールにいることも想定していたことが良かった。ギルガルドはいなかったものの、他の二匹はきちんと環境の中心で戦えるようになっており、「ニンフィアを強く見ながらローブシンを採用する」という選出で最後にハッサムを取れたのは良かったのだろう。急所に当たったとはいえハッサムがなければ霰に勝つことはできなかった。

 

プール2の構築には正直甘かった面も多いと思う。しかしトリルに対してもフシギバナカイリューで何とかなるのではないかという予想はしている。問題は晴れミラーとの試合だろう。実際の対戦では晴れなのに相手が晴れを選出しなかったおかげでかなり優位に立ちまわれたが、キュウコンフシギバナヒヒダルマがミラーした際の回答を完全にカイリューに一任しているという状況は良くないだろう。

プール1で霰構築を作り私の対戦相手でもあったnopeは、プール2において晴れを使いながらトリルと晴れにメタを張るという意識を強く持ち、

キュウコンヒヒダルマファイヤープテラレントラーシュバルゴ」という構築を採用している。

 

この構築は晴れを握りながらミラーをプテラで、そしてトリルをシュバルゴで見ている点が非常に興味深い。恐らく私と同じくクロバットへの恐怖でスカーフレントラーを採用してしまったのだろう点、そしてファイヤーの採用意図がいまいちわからない点以外は非常に優れていると感じた。結局この構築を握ったnopeとは対戦しなかったが、もし私の晴れと対戦した場合はかなり苦しい試合展開になるのではないだろうか。プテラレントラーで見ながらヒヒダルマをどこまで通せるか、相手の構築にはない高速ポケモンフシギバナをどこまで動かせるか、1手も間違えられない戦いになったはずだ。

 

nope選手はプール1で霰を、プール2では晴れを、どちらも80点ほどの完成度で仕上げており、今回の企画の中で最も優れたプレイヤーだったのではないかと考えている。

試合結果で見るとそのnopeを下して2-0した私が一番だが(ドヤ。

 

 

全体としてみると普段のレートとは違う特殊ルール(メガなしは今シーズンのスペシャルレートという点で共通しているが)を考察できる面白い機会だったと思う。このような誰もやっていない特殊ルールとしては2年前に有志4人ほどでずっとやっていた、

・4世代見せ合いなし4-4

シンオウ図鑑(ダイパ時代のもの、キッスとかエレキブルがいない)のポケモン限定

というルールでかなりプールを制限して行ったルール、シンオウダブルと非常に近いものを感じる。誰もやっていないルールで事前にいろいろ考えてトップメタを想定、それに勝てるポケモンを用意(今回のファクトリーではそのポケモンがプール内に本当にいるかどうかわからないという難しさがあったが)するということは普段のポケモンでの自分の思考の整理にも役に立つだろう。

また言い方は悪いがこのルールはマイオナに近い面白さがあるのではないだろうか。プール1は普段のダブルと似たような感じだが、プール2なんかはそれが特に顕著だった。普段使われないポケモンが環境を制限することでトップメタに存在できる、というのは環境を意図的に狭めてコントロールしたファクトリーならではの面白さだろう。このようなことができるのは種族値制限とか技制限といった大雑把な調整ではなく、持ち物まで含めてきちんとバランス調整を行った賜物であり、それをやってのけたファクトリーのプール製作者に敬意を払いたい。特に同じポケモンを2匹用意するのは苦行以外の何物でもないだろう。一般ポケならまだしも準伝なんかはみんなのボックスを漁って探したり、新たに5世代乱数したりといろいろ面倒だったと思う。

 

まとめると、ファクトリーはすごく面白いけど作るのは大変で(30匹のプールはしんどい)しかも本当の意味で新鮮に楽しめるのは一回きりという非常にコスパが悪い、けど面白いルールなのではないかと思う。参加してよかった

 

 

宣伝

 

今回の冬コミで出す会誌にこのファクトリー企画を扱った記事が乗るはずです。

そちらには全プレイヤーの構築、上記の私とnopeの雨vs霰の試合のログ、そして製作者の意図が載ってます。ぜひ冬コミはゲーム研究会をよろしくお願いします。