imterlawの日記

郊外にぽつんと立った豪華な屋敷

【統率者戦】cEDHにおけるグリクシス(青黒赤)のおもしろさ【MTG】

ここ半年ほど仲間内で概ねレベル9くらいのEDH(以下cEDHと呼称します)をよく遊ぶ、いむたです。

これまで半年ほどナジーラ、コルヴォルド、ジョイラ、ログラクフ/サイラス、ティムナ/クラムあたりを遊んできた中でグリクシスカラー(青黒赤)を含むジェネラルの使いやすさと楽しさがかなり好みのため、好きな要素をまとめます。

ちなみにグリクシスじゃないジェネラルだと無限のエルシャが好きです。無限の名は伊達じゃない。 

 

cEDHで欲しいと思っている(そしてグリクシスが持っている)要素

概ねのゲームターンが3-5あたりで終了することが多いcEDHにおいては

その速度感についていき、対面の強い行動に干渉、対面の妨害を阻止し、

自分の勝利をもぎ取る必要があります。

その速度感についていけるのに欲しい要素、というのが以下の4つだと考えています。

波止場の恐喝者を使える

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革命的で美しいカード 《波止場の恐喝者》

高速ゲームの中で最も信頼できるカードは何か、と聞かれたら私は波止場の恐喝者を挙げます。

 

このカードのためになんとしても赤色を積みたくなる、そんな魅力のあるカードです。

速度を出すために投入される、魔力の墓所や太陽の指輪、各種印鑑、タリスマン、モックスなどのマナファクトの数に加えて、花の絨毯やリスティックの研究、mystic remoraなどの最強エンチャントの全て、対戦相手が出すその全てに反応し宝物トークンを生む。 

概ね3tあたりで試合を決める必要がある場合でも大体3-5個はもらえることが多く、幻影の像などでコピーすればマナは増え放題、生贄に捧げて墓地から再利用、ブリンク、このカードをしゃぶり尽くすだけでマナに困ることは一切なくなります。

 

さらに悪質なのが、対面の波止場の恐喝者に対するカウンタームーブになるのがこのカード自身ということでしょう。宝物トークンすらもアーティファクトの数にカウントされるがゆえに、宝物トークンを維持したままターンを回してきた相手に対し自分が波止場の恐喝者をキャストすることで、対面に「宝物トークンをサクらせないと、宝物が大量に出る」という嫌な択を押し付けることができます。

 

波止場の恐喝者は強すぎるため、一度誰かが場に出してしまうと幻影の像、再活性などのカードによって他の人が利用し、先述のカウンタームーブを決めてゲームが加速するため、卓全体の速度を跳ね上げる強カードと言えるでしょう。波止場に対抗するには波止場を出すしかない。

 

上記の観点から波止場の恐喝者を使える、というのがEDHの高速展開で戦うために一つ優位性を持ってる要素だと思います。

 

 

対面にパワーを悟られにくい

 

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許容ラインを超える戦士トークンが出る戦闘前にナジーラに妨害を当てるのが効く

cEDHにおける強ジェネラルには、ナジーラやギトラグのようなジェネラルの圧倒的パワーで押しつぶすタイプのジェネラルももちろんいますが、強さが盤面上で可視化されてしまうと対面からの強烈な妨害を喰らってしまうリスクがあります。

ジーラであれば戦士トークンが3から7に増える瞬間の妨害、ギトラグであれば着地してドローし始めるあたり(ダクムーアをハンドに持たれたくないので)で露骨にプレイヤーの警戒度が上がるでしょう。

強すぎるが故の罪というべきか、ジェネラルが立っているというだけで強い警戒心を与えてしまうと、実際にはハンドが弱いのに不用意な妨害を喰らいすぎて沈むというタイプの負けが出てしまいます。

 

3人の対応を掻い潜りながら勝利を掴むためには、

「ハンドの強さ、ボードの強さを対面に誤認させ、打ち消しの消費も最小限にしながら

自分の勝てる隙を窺う」であったり、「いきなりのマナ加速からキルムーブを不意打ちで決める」というのが良さそうです。

それができるのが死の国からの脱出を機軸としたブリーチコンボであり、インスタントタイミングの直観やむかつきによる不意のギアチェンジなのかなと思います。

 

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存在そのものが「バグ」 

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ライフを勝利に変換するむかつきやネクロポーテンスがあるため、

黒プレイヤーは徹底して殴られる 

 

 黒のチューター(=サーチカード)が使える

ハイパワーなEDHにおいては一切の遠慮なくチューター系カードでカードをサーチし、100枚ハイランダーとは思えない再現性のある強い動きを目指す、というのが定石です。

 

全てのチューターの中で最もハイスペックなのは、元祖チューターである悪魔の教示者を擁する黒です。

 

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全てのカードを僅か2マナでハンドに加える、最強のチューター

 

もちろん、緑のクリーチャーサーチ、青のスペルサーチ、白のエンチャファクトサーチも強いのですが、全てを持ってこれる黒のサーチ系カードが圧倒的に上位互換すぎて、出来る限り黒を入れたい、という思いが強いです。

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相手に渡してしまうデメリットも、サーチしたターンに勝てば何の問題もない

相手に渡すことで波止場の恐喝者のカウントが増えるというインチキじみたメリットも

序盤に引いた場合は魔力の墓所などの加速に変換、勝負を決める場面では足りないコンボパーツや打ち消し、さらには波止場の恐喝者に交換して柔軟な勝ちプランを目指せる黒のチューターはマリガンの要求基準を下げると同時にいつ引いても強い、化物カードです。

 

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サーチ系に対するカウンターとして最も強い

これで悪魔の教示者を奪えるとほぼ勝ち

もちろん、対面の敵対工作員には注意が必要です。基本的にはチューターを打つ前に、対面に黒含む3マナが出せるかどうかを確認、出せる人間がいた場合は様子見でフェッチランドを切りましょう。そのまま敵対工作員が出てきた場合土地を失いますが、サーチを奪われるよりはましです。

とはいえこれもお守り程度の効果しかなく、対面が土地を求めてない場合はそしらぬ顔でフェッチの起動をスルーし、チューターがくるハイバリューな場所まで工作員を温存されるケースも多いです。

工作員が出た場合にバウンスや除去で対応できるだけの余剰マナがあるか、ケアを放棄して打たないと勝てないか、の選択はEDHの面白さでいまだに正解がまったくわからないです。

 逆に工作員を使う側は対面のフェッチ起動に悩んではいけません。

悩む時点で工作員持ってることが対面に透けてしまうので。

土地が欲しいならノータイムで射出、土地が不要なら「フェッチ起動いいですか?」の確認に対して「どうぞ〜」をポーカーフェイスで言えるようにしたいですね。

 

 死の国からの脱出が使える

最後が「タッサの神託者コンボが使える」、ではないのは

タッサの神託者よりも死の国からの脱出の方が強いと考えているからです。

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悪名高い特殊勝利カード  cEDHといえばこれのイメージも強いのでは?

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指定:ブラックロータス、で勝つのが気持ちいいですね

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汚れた契約はタッサとのコンボでなく、サーチカードとして劣勢時に切ることも多いです

汚れた契約をうまく使えるようになると、EDHがさらに楽しくなる



大前提なのですが、何の補助もないデモコンタッサの寿司コンボはそんなに通りません。

というのも、デモコンタッサの両方がcEDHの構造的に対処しやすいからです。

生き物だから打ち消しにくそうなタッサの信託者も、EDH御用達カード赤霊破の対象になる青色を持ってますし、キャストに青2マナを要求するのでバックアップの打ち消し用の青マナを残しにくいという欠点があります。

Demonic Consultationも1マナというのが足を引っ張り、精神的つまづきのピッチ打ち消しに消される可能性があります。

同じくタッサのお供である汚れた契約ならば精神的つまづきを避けれますが、払拭や唱え損ね、狼狽の嵐を当てれるインスタント呪文であるが故に、思ったより単体だと通りにくいです。

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青以外のスペルを対象にとれないことから偏向はたきで曲げにくいため

赤霊破の方が、類似カードの紅破破よりも明確な優位性があります

船殻禁止前なら両採用も多かったのですが、今だとこちらだけなこともしばしば

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1マナスペルはかなり多く、消しどころに困らない良カード


別にタッサデモコンが弱いというわけでは全くなく、どうしようもない時に僅かな打ち消しでバックアップして通しに行く、というケースも多いですし、僅か3マナから特殊勝利できるというだけで最強の一角であるのは疑う余地がないでしょう。

 

それよりも死の国からの脱出を優先するのは、

基本的に墓地対策がない限りは死の国からの脱出からの勝利を目指すからです。

死の国からの脱出から最終的に行き着くのはタッサなのですが、道中は出来る限り死の国からの脱出経由を狙います。

・死の国からの脱出が「対処しにくい」スペルであること

・着地に成功さえすれば、どれだけの打ち消しがあっても対処不可能な「詰み」をつくれる公算があるから

の2点が理由になります。

 

死の国からの脱出が「対処しにくい」スペルであること

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テーロスが産んだ化け物エンチャント。

禁止になってもおかしくはないかなぁ

先ほどの「タッサデモコンが消されやすい」、に対する裏返しになりますが、

死の国からの脱出は「青色を含まない」、「1マナではない」、「インスタントでもソーサリーでもない」ことにより、打ち消しの通る範囲がかなり狭いです。

白鳥の歌や激情の後見、意志の力や否定の力などは食らうものの、

打ち消しの範囲が狭いというのは対戦相手3人の対応を全て掻い潜る必要がある統率者戦において明確な優位性を生みます。

 

・着地に成功さえすれば、どれだけの打ち消しがあっても対処不可能な「詰み」をつくれる公算があるから

類似カードであるヨーグモスの意志とは異なり、死の国からの脱出は利用したスペルが追放されずそのまま墓地に落ちます。

つまり脱出コストさえ賄うことができれば、墓地に落ちた打ち消し墓地から使うスペル全てを何度でも使えるため、対面の打ち消しでの対処が不可能になるのです。

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このカードもバグ。墓地からスペルが打てる、というのはいくらなんでもつよすぎる

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墓地に否定の契約が見えてる中で死の国からの脱出が着地した

となればゲームはもう終わってます


一度死の国からの脱出を経由することさえできれば、相手がどれだけの打ち消しを持っていようが、墓地を使って何度でもキャストし、相手の打ち消しが尽きるのを待つことができる、これによって妨害不可能なタッサデモコンコンボを通す、というのが一番狙いたいコンパクトな勝ち筋でしょう。

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墓地から思考停止を打てる状態を作れば、山札全てを墓地に落として

脱出コストには一生困らないです

死の国からの脱出の極めてよくないところは、チューターとの相性が良すぎるところでしょう。なんでもサーチできる黒のチューターで死の国からの脱出をもってきて、そのままプレイ、なぜか墓地に黒いチューターがあるのでそれを使ってライオンの瞳のダイアモンドを持ってきてキャスト。ダイアモンドを砕いて墓地から・・・と動くことで、実質黒のチューター1枚から勝ってるという状況を作ります。

 

 

グリクシスの強み

ここまで説明してきた4つの要素

・波止場の恐喝者を使える

・自身のパワーを悟られにくい

・黒のチューター(=サーチカード)が使える

・死の国からの脱出が使える

 

これらの要素を満たすのがグリクシス、という点で私はグリクシスをお勧めします。

赤くて黒い、というのが構造的に強く、さらに青色の打ち消しも使いたいぜ、となった3色がグリクシスなのです。

余談ですがC20の統率者ピッチで頭抜けて強い3枚もグリクシスなので

マローさん実質公認と考えてもいいでしょう。

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なぜ赤のピッチスペルが打点とかファクト破壊じゃなく、

対象変更という実質打ち消しよりも凶悪な効果なのか、誰にも説明がつかない

 

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消せる範囲広すぎません?インスタントやソーサリー程度でも

十二分に強かったと思うのですが

 

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破壊、じゃなく追放な上にさらにクリーチャーなら

なんでも当たるって欲張りすぎてる

 

柔軟なチューターから様子見を行い、適宜対面の危険行動に対しては打ち消しで介入し、ここぞのタイミングで脱出コンボを決める、4人対戦を縦横無尽に駆け巡るグリクシスの魅力を、是非皆さんも触ってみてください。

 

次回のブログではグリクシスおすすめジェネラルを3匹ほど紹介したいと思います。

同じグリクシスでも中身は結構異なり、ゲームプランも違うという面白さがあるので

是非グリクシスに入信してください。