imterlawの日記

郊外にぽつんと立った豪華な屋敷

【ゼノブレイドDE・クリア時感想】王道とひねり方【ネタバレ】

【はじめに】

ゼノブレイドDEをクリアした。

2010年発売のWiiRPGのリマスター版として出た本作だが、

私は当時クリアしてなかったので、全く新鮮な気持ちでプレイできた。

戦闘におけるレベル差ペナルティに若干の文句&ゲームシステムを説明しない序盤の不親切さがマイナスポイントなもののRPGとして必要な、ストーリー、キャラ、舞台設定、最後のエンディング含めて極めていいゲームだと思った。

10年前にこの水準のゲーム(もちろんリマスターで遊びやすくなってるものは色々あるにしても)ができていたらと思うと当時やっていなかったことを後悔している。

番人にお勧めできる良いRPGだと思う、それなりに寄り道してクリア時間65時間、まだ追加コンテンツが残ってるものの、ゲームを評価するにあたって必要な要素は一通り触り切れたと思っている。

 

以下には物語の根幹のネタバレがあるので注意。

 

 

【評価点①:捻りをつけた王道 復讐に駆動される序盤】

 

このゲームの優れた点は、最後には王道としてのRPGに着地させつつ、その中での序盤の展開をヒロインの死への復讐という強烈なマイナスイベントからスタートさせることにあると考える。

 

開始1時間ほどで、機械と人の戦いが古来よりあったという世界観、機械と巨人の2対の巨大な神の上に立った土地という舞台設定、主人公シュルクと友人ラインとヒロインフィオルン、そして兄貴分のダンバンという関係性をコンパクトに提示する作りになっている。

序盤のチュートリアルを終えると、主人公の暮す町であるコロニー9に敵である機械兵が進行、色々あった結果、ヒロインのフィオルンが顔つきと呼ばれるネームドヴィランに対して自爆特攻を仕掛けるも、倒すこと叶わずそのまま死ぬ。シュルクとラインはフィオルンを殺した機械兵への復讐をするため、コロニー9を飛び出し、機械の国へと目指し復讐の旅に出る。

 

何も知らずにプレイしたので、フィオルンが死んで素直に驚いた。

前年の戦いの後遺症で動けなくなったダンバンが死ぬものだとてっきり思ってたら、普通にフィオルンが死に、そのまま復讐に突き動かされて主人公が出発していったからだ。

 

ゲームのメタ的に言うと、前段のチュートリアルでフィオルンはプレイアブルキャラとして普通に触れる上に、tipsにも戦い方の説明があり普通にずっとこの3人が使えるものだと思い込んでいた。

対するダンバンはゲストキャラでレベルが一人だけ高く、明らかにパパス的なキャラ設定をつけられていたので、復讐譚として動かすにしてもこのダンバンの死でもって物語を動かしていくのだろうと完全に思い込んでいた。 非常に細かいがゲームであることを上手く活かした展開の隠し方で、序盤の掴みとしてはベストだと思う。

 

【評価点②:復讐から神殺しへの目的転換と綺麗な着地】

なんやかんやでフィオルンが実は生きていて、という驚きの展開があった後、主人公一行は敵の本拠地、機械界に乗り込み、敵の首魁であるエギルとの決着に臨む。

拳のぶつかり合いで和解して終わり、と思いきや最後の最後でもう一捻りあり、実はこれまで主人公たちを見守ってきたディクソンが更なる敵の手下で、最終章では全ての世界を滅ぼそうとする神との戦いに移行する。

と、文面にするとシンプルだが、ここでなされた主人公の目的の転換がプロットとして美しい。

フィオルンが実は機械の体となって生きていたという展開を踏まえると、復讐心に駆動された物語の決着として、実はヒロインは生きていたし、敵とは和解できたというのはかなりチャチな終わり方になってしまう。

ここで、そんな単純な終わりではなく、これまで主人公を助けてきたディクソンが実は敵だったというどんでん返し、特にその横にアルヴィースといういかにも胡散臭いキャラを設置し、そちらに意識をむけてからのディクソン、そしてその裏にいる創造主という展開が効いてくる。

 

機械と人間という対立軸から、物語の終わりとなる、「神無き世界の実現」、創造主に対する反逆という王道のサーガへと物語を移行し最終的にエンディングを迎えることで、このゼノブレイドは名作になったと言えるだろう。 

 

物語の着地点としては王道だが、最初と最後の2度のひねりによって、ストーリーを魅力的に仕上げてるという点で、このゲームの面白さに脚本が貢献したところは大きい。

 

 

【評価点③:キャラの魅力】

RPGとしてキャラの描き方がうまい。特に主人公の兄貴分、フィオルンの実の兄でもあるダンバンがあまりにも格好いい。

機械特効の剣モナドをかつて扱った後遺症から序盤は動けなかったものの、主人公のピンチという場面でシュルクを助けて、パーティに加入、片腕使えないというハンデを感じさせない性格の良さ、戦闘でも最強キャラの一角、大量の格好いいイベントが渡されて、明らかに優遇されている。

最初から最後まで主人公に対する頼れる兄貴分として活躍するダンバンというキャラがこのゲームのキャラ設定の中でも飛び抜けてうまい。リキ、カルナ、メリアなどの他キャラも魅力的だが。

 

 

【マイナス点①:戦闘がややこしい】

戦闘面のチュートリアルがお世辞にも足りてるとは言えず、最初はよくわからない。

立ち位置を含めた移動、ヘイト管理、オートアタックによるゲージため、モナドなどなど確かにチュートリアルは入るもののややこしすぎる。

色々調べてわかると面白い。

 

【マイナス点②:レベル差補正が強い】

このゲーム、メインストーリのみ追うと全然レベルが足りなくなるので、ある程度サブクエこなしてレベル上げすること前提に組まれているが、レベル差の補正が強い

特に6レベル以上開くと露骨に攻撃が当たらなくなり、確かに勝てはするものの、普通に時間かかるのでかなりプレイ体験としてよくなく、レベルそれなりにあげて臨む場面がいくつかあった。

カジュアルモードでやれよという話だが、それはそれで癪・・・

 

 

【まとめ】

戦闘も慣れたら面白いが、説明足りなすぎ。

ストーリーは面白いし、BGMも良いし、フィールドも広い(ガウル平原でいきなりレベル90の敵がうろついてるとかも、シンボルエンカウントではよくある仕組みなものの良い。10年前であることを考えると、当時ひょっとしてかなり先進的な仕組みだったりするのか?)