imterlawの日記

郊外にぽつんと立った豪華な屋敷

【RAGE SFL 10月東】 考察と反省

 

Shadowverseの公式大会のrageの東日本10月予選に出場した。

Day1 3-1 Day2 6-2の成績で残念ながらトップカットには残れなかったもののスイスドロー43位で賞金5000円を獲得して結果が残る形で終われたので、考察と反省を書く。

 

 

 

 

1.10月と11月の2回の予選のどっちに出るか問題(Day -1)

すべてのミッドレンジを駆逐する新型アーキタイプ「原初ドラゴン」、回りきった時に対人ゲームを拒否する壁打ちデッキ「アグロロイヤル」、最低のデッキ「階段骸タイラント」、より高度にカードゲームを拒否する方が勝つシャドウバースにおいて、SLFはこれまで3ヶ月付き合ってきた最低のニュートラル環境をあざ笑うかのような最低のゲームを次々と生み出す最高のパックだった。

あまりにも杜撰なゲーム性にジャンクフード的な中毒性があり好みだったのでDay1を選択。。

原初を握ってグラマスまで回していたが7月のアグロヴァンプ環境よりも圧倒的に勝ちやすかったので環境的にも自分に合ってると思った(11月では原初が確実にナーフされるため、原初頼りの自分にとっては10月の方が勝ち目がありそう)

 

 

2.デッキ選択

 

2.1原初ドラゴン

原初を握らない選択肢はなかった。「原初のミラーはどうしても先行階段経由の分回り運ゲーの要素を排除しきれず、最も持ち込まれる原初を倒せる2デッキがあればと思ったが、そんなものは存在しないため、最も強い原初を握ることにして、「最強の原初を握って運を味方につけてミラーを勝つ」ことができればいいなと思った。

最強を握らないというのはそれだけで不利であり、ここまでのパワーを持つデッキは少々のリスクを負ってでも使わないと損だろう(=リスクを過大評価してはならない)ということを、私はポケモンにおいて6世代でガルーラを使わなかった後悔から学んだ。

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選択したのはフェイス原初。特徴としては<大嵐のドラゴン>の採用、<竜の託宣><竜の闘気><バハムート>の不採用だろう。俗に言う「ランプ原初」と「フェイス原初」がどちらが強いのかというのはこのひと月常に議論されて結論が出なかった問題ではあるが、私はフェイスの方が強いと考えた。ランプ型の託宣によるテンポロスを利用してバハムートが出現する前に試合を決めるほうが勝ちやすいような体感があったこと、またランクマッチで常に回し続けていたことでプレイングの習熟度も高く、練習の必要性が少なく相方デッキの調整に時間を多く割けることを利点として選んだ。

結局は手癖による宗教じみた選択理由にすぎず、原初のデッキ構成は「より回しやすいもの」を選ぶというのがいいのだろう。もはや終わった環境でどの原初が強いのかの結論は誰にも出せない(ファイナリストが使っていた原初が最強だとするのが一番わかりやすいだろうが)。

私個人の結果という少数のサンプルから判断すると、当日は先行階段に対して後手から捲って2回勝てたのでこれで良かったのだと思う。

シャドウバースで最も大事なのはマリガンであると考えているが、原初のマリガンは

 

先行:           

優先度1 階段、アイラ、サモナー 原初 巫女

優先度2 アイボリー ファイアリザード 

 

後攻:

優先度1 アイボリー サモナー アイラ 原初

優先度2 階段 巫女

 

をキープしたい。託宣闘気を抜いておりドローソースが薄いためマリガンで拾えた原初はマナカーブをそらしてまでもキープ。

後手階段をマリガンキープするかは最後までに謎で、結局アイボリーの方が強いことが多いように感じた。

特に原初ミラーで後手を引いた場合、先階段にアイボリーを合わせる方がボードの取りやすさが変わるという意見をもらい、確かに回してみて自分も思った。

アイボリーない時にわざわざ階段を流してまで引きに行く動きは弱いため、手札にアイボリーがなく階段が来て2コスがあるようであれば後手階段をキープしていいた。

 

巫女は重なると弱いためマリガンキープするかは悩ましいが、最強のパワーを叩き出せるカードであり、階段がある場合にはドローで事故回避できるために絶対キープ。他は気分。

 

2.原初の相方

時間がなかったため強そうな候補としてフェイスロイヤル、ドロシー、土、骸、Nエルフから選択することにした。

 

2.1ロイヤル

原初に微有利以上を取れる数少ないデッキで、そこが最大のメリット。

わかりやすいトップメタがロイヤル原初のtier1のデッキを二つ持ち込むことなため一番に考えた。しかし自分で回していて

 

・ロイヤルのプレイング習熟度が低い(後手巻き返しのプランニングとマリガンができてない)

 

・相対的に原初よりも対策を立てやすいことからロイヤルを踏む2デッキ(昆布、ビショ、Nエルフ)を持ち込むプレイヤーの存在を棄却できず、その手のデッキにプレイングで勝ちきる自信が持てなかった

 

ことから使うことをやめた。この時点で想定するトップメタを対策する側に回る羽目になるので、「トップメタを選ばない」ことによるパワー不足を受け入れなければならない。

原初はメガガルーラだから握るべきだと考えたが、翻ってロイヤルはガルーラの相方としてランドロスとは呼べず、モロバレルだと考えた。私はモロバレルよりウルガモスを使いたい。

 

2.2 ドロシー

考察する価値もないかと思ったが、後輩がデッキをくれたのでありがたく試した。

 

・マジックオウルからの激烈な横展開が通れば勝てる

・ロイヤルに弱そうに見えて、<ゴーレムアサルト>により3:7くらいの勝率を保てる

 

点が良かったが、ドロシー展開を原初の普通の回り方で処理されるのを何度も経験し、ロイヤルに強く、原初に弱いというNエルフに比べて使うメリットがなかったために不採用。

 

2.3土

1t土からの奇術師ムーブが強いが、それしかない。原初に有利は付いておらず、ロイヤルにもいまいち。不採用。

 

 

2.4骸

ぶん回った時にロイヤル以外のデッキを轢き殺すことができる(スタッツ勝負のNエルフにさらに強いスタッツの押し付けで強いのが高評価)が、ロイヤルに必敗。

ロイヤルの数が多いと読む以上このデッキを使う理由はない。

が、蓋を開けたらロイヤルの数が想像以上に少なかったために骸を選ぶというリスクをとったプレイヤーが勝ち上がっているのも納得。

考察の差であり、思い切りの良さの差であり、俺には選べない選択。モロバレルウルガモス問題でキノガッサを選ぶという妙手。

 

 2.5 Nエルフ

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「ロイヤルと原初に優位を取れる」という噂を聞いて使ってみたものの、ロイヤルには極めて優位を取れるものの、原初には普通に不利で、3:7 、良くて4:6程度の勝ちしか取れないことがわかった。

強力な勝ち筋であるBB(<ビューティ&ビースト>)以外にも、<均衡の梟>がなかなかの強カードで、木人梟ヘクトルBBというマナカーブ通りの動きにより、通常のコストよりも一つ上のバリューを常に押し続けることで、相手に処理不能な状況を作り出すミッドレンジデッキであるというのが使った感想だった。

 

原初に弱いというところに目をつむってでも、ロイヤルに対して後手を引いてもユニコ木人双撃ヘクトルで押し返せるところが魅力であり「ロイヤルが多い」という環境メタを張る中では最適戦術だと考えた。

しかし、ロイヤルに強いエルフと原初というデッキ選択は極めて妥当な(ありふれた)選択であり、ロイヤルをメタろうとする多くのプレイヤーが同じエルフドラゴンを持ち込むことで、rage当日にエルフドラゴンのミラーが多発するのではないかという考えに至った。つまりエルフを握るならばエルフミラーに強いエルフを握る必要がある。

そこで参考にしたのが不労所得(@atmark680)さんの案である、

<屈強な山岳隊長>と<ミスターフルムーン>の採用である。

この二枚の共通点としては「進化権を使わずにBBを処理できる(沈黙させられる)」という点だ。

Nエルフミラーをやったことがあるプレイヤーなら経験したことがあるだろうが、互いに進化を切ってBBを立て合い、BBによる殴り合いの後出しじゃんけんが発生、進化権を先に使い切った方がBBを処理できずに負けるという試合が発生する。そこで進化BBを殴りながら自分は無傷でボードに残り、しかも突撃を持っている山岳隊長と、効果無効のBBに対して効く攻撃ダウンの効果を持つミスターフルムーンの採用で、ミラーを制するという発想になった。

 

ミスターフルムーンと全く同じ動きを可能な駒として<クリスタリア・リリィ>があるが

 、Nエルフはどこまでエルフカードの使用枚数を減らし木人梟ヘクトルBBのバリューカードの効果を安定発動させるかというのが構築の強さに直結するため、特に梟の起動を安定させたいという点からNの枚数は10枚が許容限界と考え、エルフカードのリリィよりもニュートラルであるミスターフルムーンの採用が良いと考えた。リリィのメリットとしては2/2/2として使えることであるが、Nエルフは2ターン目に2コスをおくことにそこまでの意味がない(3t木人で2tパスのアド損を帳消しにできる)ため、魅力が薄いと考えた。

 

3コス帯域は<純真の歌い手>、<ミニゴブリンメイジ>を3枚ずつ採用しているが、これは「BBをとにかく引きたい」という意図のもとである。BBを握っている状況においては<覇食帝・カイザ>から出現する<アルティメットキャロット>が手札ロスなくNカードをため続ける強カードであるものの、山札圧縮はできずドローのバリューをあげることはできない。ここをミニゴブにすることで山札の2コスの枚数を減らし、BBへのアクセス力を少しでも高めることができると考えミニゴブを採用した。

<クリスタリア・エリン>は回復と守護によって対ロイヤルの最後の砦として極めて有用なため採用。この枠は他に<ジャングルの守護者>を試した(反省で後述)。

<ギルガメッシュ>はパワーの低いデッキでリーサルを逃した際の最後の押し込みに使えるカードであり、1枚刺しておくと色々と便利。

 

 

3.試合結果

 

day1

ロイヤルドラゴン            1-2

ウィッチドラゴン            2-1

エルフドラゴン               2-1

ヴァンパイアドラゴン    2-1

 

day2

エルフドラゴン           2-1

エルフドラゴン             2-1

ネクロドラゴン             2-0

ウィッチドラゴン         1-2

エルフドラゴン             2-0

ロイヤルドラゴン         2-0

ネクロドラゴン            1-2

エルフドラゴン            2-0

 

day2の負けはウィッチドラゴンの台湾超越にエルフが取られてドラゴンミラーも負けた試合、ネクロドラゴンでエルフが2タテされた試合の二つ。

 

 

4.反省

エルフドラゴンミラーを想定通り一つも落としていないのは良かった。

負け試合は妥当な負けだったと思う。台湾超越のアーキタイプにBBメタの変性を組み込まれた形のウィッチにエルフが負けること、BBを上回る骸のバリューに処理できず負け。どちらも想定していたロイヤルエルフ環境のメタの外からやられた形となった。

想定していたロイヤルの数がそこまで多くなかったことで、day2の上位卓に超越と骸の進出を許すという展開まで想定できなかった私の考えが甘かった。特に<実験開始>を3枚積むことで<精神統一>や<ゴーレムアサルト>へとつなぎ、最後は<ギガントキマイラ

>により安定した8超越からのエンドゲームを狙うという台湾超越の存在を私は知らず、全く未知の超越との戦いだったことに非常に苦しめられた。ファイナリストもこれと同じ台湾超越を使っていることから非常に強力なアーキタイプであることは言うまでもなく、事前に出てたその存在すらも知らなかったということは情報収集不足だったと言わざるをえない。

 

ミラーに強いエルフドラゴンを持ち込むという選択自体は及第点だったものの、環境を読んで(博打にでて)ロイヤルを薄めに見た強力デッキを持ちこむという戦術の前に屈したのはもうプレイングではなく構築の段階での負けだろう。

 

エルフドラゴンという二つのアーキタイプを持ち込むという選択でもっと上に行く、あともう一つ勝ちを狙える(=トップカットに残る)要素があるとするならばNエルフに<ジャングルの守護者>を採用することだったと振り返って考える。

このカードは事前に使ってみた結果、対ロイヤルの性能をそれほど落とさずに、ドラゴンとのロングゲームでわずかな勝ち筋を生み出すタイプのカードだと考えていた。特にこのカードが活躍するのはランプ原初との試合で、泥試合になってカードの地力で押し込まれるという負けをなくしてくれるカードだ。しかし私自身が使っているような前に寄せた原初を相手にするときにはあまり役に立たないカードであるように感じており、自分がフェイス原初を使っていることで環境内にフェイス原初が多いかのような錯覚をしてしまった結果、ジャングルの守護者よりもエリンの方が強いという結論に至り、結果エリンでよりロイヤルを重く見た形のデッキをとった。結果ロイヤルとのマッチング数と、全員が採用したドラゴンとのマッチング数を比較して、より勝敗に貢献するのはジャングルの守護者だった気がしてならない。

ここをジャングルの守護者にすることでドラゴンエルフの不利マッチを取れる試合を少しでも多くしていれば、また結果は違ったのかもしれない。

 

 

5.感想

初参加の8月のRAGEでは早々に落ちたため、これが初のday2出場だったが、スイスドロー8回線で一生分のシャドバの対戦ができて非常に面白かった。

参加費無料でモバイルバッテリーがもらえて弁当も出るし、勝てば賞金まである大規模大会を運営できるのはさすがのサイゲだと思うし、シャドバのゲームの出来には極めて疑問が残るものの、この大会に関しては非の打ち所がない最高の大会だと思う。また参加して、こんどこそ勝ち上がりたい。